優れた人材の確保が難しいという認識は、いまや広く共有されている。一方で、多くの人が自分のスキルが活かされていない、十分に使われていない、発揮されていないと感じている。これは、メンタルヘルスやエンゲージメントから、生産性、定着率に至るまで、人にも組織にも課題を生む。
しかし、スキルを確実に活用し、人が十分に関与し、充実感を得られる状態をつくることは可能だ。
眠れるスキルは極めて重要だ
影響を受ける人の多さを示す数字は深刻である。米キャリア支援企業Resume Nowの調査は、スキルが十分に活用されていない状況の広がりと影響を示す重要なデータを提供している。
実に59%が「自分のスキルは十分に活用されていない」と答えており、そのうち31%は「スキルが十分に活かされることはほとんどない、あるいはまったくない」としている。また13%は、常に物足りなさを感じ、仕事への関与も低いと感じている。さらに77%は、スキルを使う機会が不足しているためにキャリアが停滞したと答えている。驚くべき数字である。
従業員に対して「あなたを評価していない」「あなたの貢献は必要ない」といったメッセージを伝えることは、組織として最も避けるべき致命的な行為の一つだ。そして、人のスキルを活かさないことは、そのメッセージを明確に発しているのと同じである。
定着率が損なわれるのも無理はない。実際、72%は「スキルが十分に活用されていない状態が続けば、新しい仕事を探す可能性が高い」と答えている。興味深いことに、67%は1年以内に辞めると答えたが、46%は6カ月以内、17%は33カ月以内に改善が見られなければ離職を決意する、自分の才能を引き出し活かしてくれる職場を求めるという。
誰しも「自分は重要でありたい」という本能を持ち、目的意識を持って貢献したいと願う。従業員を対話や意思決定の場に迎え入れて当事者意識を持たせ、その貢献とスキルを価値あるものとして評価することは極めて重要である。
眠れるスキルを活かす方法
人の能力を引き出し、自分の提供価値が尊重され、評価されていると実感できるようにするための方法を示す。
・スキルと職務を一致させる
最初に取るべき行動の1つは、個人のスキルと、職務で期待されていることを一致させることだ。日々の業務と自分のスキルが一致していると答えた人は29%にとどまり、「自分が最も得意なことを自分の役割でできている」と答えた人は24%しかいない。さらに62%は「強みが仕事の中心になっていない」と答え、強みを意味のある形で活用するよう促されている人は38%にとどまる。
人が何が得意で、何をするのが好きなのかを見極めることが重要だ。本人に尋ねるだけでなく、仕事ぶりを観察し、方向づけや指導のためのフィードバックを提供する。そして可能な限り、これらの強みやスキルと一致する役割を用意する。完全に一致させることは通常難しいが、できるだけ重なりを増やすべきである。



