加えて、現在の役割で提供できること、隣接する役割やプロジェクト業務で提供できることも検討したい。次に担う仕事に備えられるよう、学習と成長の機会をどう設けるかも考える必要がある。次のステップへのキャリアパス(道筋)が明確になれば、従業員自身も自身のスキルをどう活かせるかを具体的にイメージできるようになる。
・挑戦的な仕事を提供する
エンゲージメントと成果におけるもう1つの鍵は、挑戦的な仕事を提供することである。人は挑戦を求め、スキルを伸ばし、新しいことに取り組むことで動機づけられる。しかし「仕事が極めて挑戦的だ」と答えた人は13%にすぎず、29%は「挑戦が足りず退屈している」と答えている。さらに28%は「いまよりもっと貢献できるはずだと、しばしば感じる」としている。
最も効果的なアプローチは、本人の能力に見合った「適度な難易度」の課題を与えることだ。いまのスキルに合った仕事を与えつつ、新しい考え方や斬新なアプローチでスキルを新たな形で適用する必要がある仕事も組み合わせる。
退屈するとモチベーションは低下し、創造性も損なわれる。一方で、問題解決を続けられる仕事、頭を使いスキルを伸ばせる仕事を提供できれば、エンゲージメントと仕事へのインスピレーションは高まる。
・承認を提供する
人は、うまくやり遂げたことを評価されたいと望む。これは自明に思えるが、実践できていない職場も多い。36%が「自分の組織はスキルに対する承認がほとんどない、あるいは全くない」と答えている。
人がどのような仕事をしているかを注意深く見て、うまくできている点を強化することが必要だ。「ありがとう」と伝え、感謝を表す。
また、人が影響を与えられる機会も提供したい。あまり知られていないが重要な承認の方法の1つは、プロジェクトや施策の形づくりに関与させることである。だが、この機会があると答えた人は9%にとどまる。
個人としての承認と、チームとしての承認の両方を行うことも重要だ。1対1で評価し、周囲の前でも称える。さらに、静かに評価されたいのか、より華やかな形を好むのかなど、どのように評価されたいかの嗜好にも配慮すべきである。
・気づき、行動する
もちろん、仕事を一致させ、挑戦を提供し、承認を与えるためには、そもそも人に気づく必要がある。驚くべきことに、80%が「リーダーは十分活用されていない状態に気づかない、あるいは気づいても行動しない」と答えている。11%は「経営層は気にかけていない」と感じている。
人と組織の双方にとってのポジティブな効果
リーダーは多くの課題を抱えているが、人が何をしており、何をするのが好きなのかに注意を払い、充実感のある仕事を設計するために行動すれば、エンゲージメントを高め、成果を引き出し、望ましい結果を増やすことは可能だ。
人は重要な存在でありたいと望み、優れた仕事をしたいと願う。十分な仕事量を確保し、人のスキルを引き出す仕事を割り当てることは、人にも組織にも説得力のあるポジティブな成果をもたらす。


