企業にできること
サイレントバーンアウトが慢性的な職場ストレスから生まれるのなら、企業にはそれを解決するためにどのような責任があるのだろうか。ビューフォードは福利厚生の充実だけではバーンアウトは解決できないと断言する。「バーンアウトの軽減や予防には組織的な取り組みや早期発見、そして本当のケアを利用しやすくすることが必要だ」。
効果の高い取り組みには次のようなものがある。
ケアを利用しやすくする
助けが必要だと感じてから実際に支援を受けるまでの障壁を取り除くことで実現できる。「人事担当の責任者は、既存のメンタルヘルス制度が十分に活用されていないとよく口にする。それは従業員が支援を必要としていないからではなく、適切な専門機関を見つけるプロセスが複雑で時間がかかりすぎたり、すでに心身が疲弊している状況ではその手間をかける価値がないと感じてしまうからだ」とビューフォードは指摘する。
管理職を真っ先に対応する人として育成する
管理職が従業員のウェルビーイングを定期的に確認する方法や、初期の兆候に気づく方法、そして従業員を適切な支援につなげる方法を学ばせる。「さらに、管理職自身が困難に直面した際に相談できる相手がいるようにすることも重要だ」とビューフォードは付け加える。「管理職が支援の仕組みを理解していれば、従業員がより早く支援を受けられるよう手助けできる」。
職場の業務プロセスを明確かつ効果的なものにする
「役割の明確化、人員配置、業務の優先順位付け、そして心理的安全性を改善し、従業員が問題を早期に提起でき、支援が必要なときに気兼ねなく声を上げられるようにすべきだ」とビューフォードは語る。
サイレントバーンアウトについて声を上げよう
サイレントバーンアウトは一部の人だけの問題ではない。Spring Healthの調査では、従業員の約30%がサイレントバーンアウトを経験しており、人事責任者の約20%は自社の従業員の少なくとも半数が影響を受けていると考えている。
「私たちはバーンアウトを、個人の問題、自分で解決すべきもの、として語りがちだ。だが、従業員の30%が静かにバーンアウトに陥っているなら、それは個人の過ちではない。それは私たち全員が働いている仕組みそのものから発せられているシグナルだ」とビューフォードは言う。
「現代の仕事のペース、リモートワークやハイブリッドワークによって曖昧になっている仕事と私生活の境界線、『これで十分』と感じることをこれまで以上に難しくしている経済的なプレッシャーなど、これらは性格の欠点ではなく構造的な問題だ」。
サイレントバーンアウトは模範的な従業員、つまり献身的で信頼でき、チームから頼りにされている人が最も陥りやすいとビューフォードは考えている。「そうした人は対応できないと思われたくないため助けを求めない」と言う。
「そして、ようやく支援を求めようという気持ちになっても、実際にケアを受けるまでが長かったり、紹介先がイマイチだったり、疲れ切った状態では利用方法が分からない福利厚生制度だったりといった理由から、支援を受けるまでの道のりは本来あるべき以上に困難なものになりがちだ。助けを求める意思ではなくアクセスこそが障壁となっている」。
1人で抱え込まないでほしい
もしサイレントバーンアウトを経験しているなら、1人で抱え込まないでほしい。その苦しみに恥ずかしさを感じる必要はない。用意されている支援を積極的に活用してほしい。サイレントバーンアウトを食い止めるには、まずはその問題について声を上げなければならない。


