愛は主に自己犠牲であり、最高のパートナーとは最も多く与え、最も譲り、最も求めない人だと教えられてきた。それは理想的な考え方に見えるが、少し誤解を招きやすい。長く親密さを保つカップルが、純粋な自己犠牲だけで成り立つことはめったにない。むしろ一見すると少し利己的に映るものの、内側では確かな働きをする習慣をいくつか守っていることが多い。
というのも、パートナーとの関係は「自分を押し殺すこと」で強くなるわけではない。2人それぞれが自分自身であり続け、そのうえで関わり続けることを選ぶときに強くなる。直感に反して、より良いパートナーへと導く2つの「利己的」習慣を紹介する。
習慣1:自分だけの人生を守る
真剣な関係では、同じ友人と過ごし、同じ趣味に熱中し、概して同じ予定で動くことで、生活を「融合」させようとする本能が働きがちだ。この一体化はしばしば親密さのように感じられる。だが、友情であれ創作活動であれ、決まった1人の時間であれ、自分だけの領域を守るパートナーは、関係から得るものが減るのではなく、むしろより多くを関係に還元する傾向がある。
この一見逆説的な現象を説明する枠組みが、心理学者アーサー・アロンが提唱した「自己拡張モデル」だ。関係に惹かれるのは、新たな経験、視点、能力が自我感覚に加わり、自分が広がるからだという考え方である。自分の力で成長し続けるパートナーは、帰る場所として常に興味深い存在であり続ける。逆に、自分のアイデンティティのすべてを相手との関係性だけに委ねてしまった人は、皮肉にもその関係に提供できるものが少なくなる。
これは関係科学における最も一貫した知見の1つでもある。研究者が「自律性支援」と呼ぶ、互いの独立性や個人的目標を積極的に支えるカップルは、「一緒にいること」だけを愛の尺度とみなすカップルよりも、満足度が高いと報告する傾向がある。自分の人生を守ることは関係への裏切りではない。自分の価値を維持するために不可欠なことなのだ。



