米国時間6月25日、アップルは現在販売中の製品の価格を引き上げた。こうした前例のない動きは、一部のコンピューター向けメモリーチップ価格の急騰によるものだ。これらは2026年、355%上昇する見通しとされる。背景には、AIデータセンターからの巨大な需要がある。メモリーメーカーにとって、希少な生産能力を振り向ける先として最も収益性が高いのがAIデータセンターであるためだ。
こうしたコスト、そしてアップルの価格は、今後数年にわたり上昇し続ける可能性が高い。これらの値上げがアップルの売上高と利益に与える影響は不透明だが、投資家はマイクロン・テクノロジーの株式を検討してもよいだろう。同社株は2026年、285%上昇している。
実際、マイクロン株は6月24日に15%上昇した。CNBCによれば、同社が市場予想を上回る会計年度第3四半期決算を発表し、見通しを引き上げたためだ。一方でウォール・ストリート・ジャーナルは、アップル株は値上げ発表後、価値の約6.2%を失ったと指摘している。
アナリストは引き続きアップル株に強気ではあるものの、コンセンサス目標株価までの上昇余地は15%程度と控えめだ。これに対しマイクロンは、AI産業のパワーカーブ(優位性が集中する局面)において明らかに有利な側にある。
アップルの値上げ、Mac製品群に及ぶ
6月25日、アップルは多くの製品の価格を突然引き上げた。エントリーモデルのMacBook Neoは100ドル値上げされ699ドルに、13インチMacBook Airは200ドル上がり1299ドルに、14インチMacBook Proは300ドル上昇して1999ドルに、16インチモデルは300ドル値上げされ2999ドルになった。Yahoo Financeが報じた。
アップルは、部品コストの上昇を吸収する限界に達した。「これまでお客様をこうした値上げからお守りしてきましたが、価格を引き上げざるを得ない段階に至りました」とアップルの広報担当者はBloombergに語った。
アップルはなぜ値上げするのか
値上げの理由は、AIデータセンターによるメモリーとストレージ(DRAMおよびNANDフラッシュメモリー)の需要急増に伴う価格高騰だ。Counterpoint Researchによれば、こうした価格は直近3四半期で4倍になった。例えばDRAMの契約価格は第1四半期に98%上昇し、第2四半期にはさらに上昇する見通しで、その中央値は60.5%だとTrendForceは報じている。
値上げの根底には、メモリーサプライヤーの戦略的な選択がある。ハイパースケーラー各社が設備投資に7250億ドル(約116.73兆円。1ドル=161円換算)以上を投じていることから、サプライヤーは生産能力をAIサーバー向けの高帯域幅メモリー(HBM)へと振り向けている。HBMはウエハー当たりの利益がはるかに大きいとウォール・ストリート・ジャーナルは指摘している。
DRAMとNANDフラッシュの営業利益率は、通常水準からおおむね倍増し、「DRAMは約80%、NANDフラッシュは最大60%に達している」と、Counterpointの半導体リサーチアナリストであるMS・ファンはウォール・ストリート・ジャーナルに語った。



