ミャンマーやセルビアでも使われ、ICEとも最大規模の契約を結ぶ
セレブライトはナスダック上場企業で、2026年1〜3月期の売上高は1億2800万ドル(約192億円)を記録した。同社は人権状況が悪い政権に技術を販売しているとして広く批判されてきた。ミャンマー当局は2019年、セレブライトの機器を使用し同国にいたロイター記者の携帯電話を解析した。アムネスティ・インターナショナルは2024年、セルビア当局がセレブライトの技術を使って調査報道ジャーナリストと学生の抗議活動参加者の端末にアクセスしたと報告した。セレブライトはその後、ミャンマーとセルビアの双方で販売を停止したと説明した。
セレブライトはまた、トランプ政権下で不法移民の居住者に対する強硬な取り締まりをめぐって批判を浴びた移民・関税執行局(ICE)に対する最大の携帯電話フォレンジック(デジタル鑑識)プロバイダーでもある。2025年9月には、これまでで最大となるICE向け受注を獲得し、1110万ドル(約17億円)の契約を結んだ。
逮捕・投獄を経たピボバロフがイスラエルを批判
2021年、ピボバロフは「好ましくない」組織とされた民主化支援の非営利団体Open Russia(オープン・ロシア)を運営したとしてロシアで逮捕され、2024年まで収監された。その後、東西間の歴史的な囚人交換の一環として釈放された。ロシア当局は2021年から2023年まで彼の携帯電話を保有し、その後、弁護士に返却した。
現在ドイツで暮らすピボバロフはForbesに対し、同国技術の対外輸出を規制するイスラエル国防省が、セレブライト製品の対ロシア輸出を認め、反体制派への使用を許したことに驚いていると語った「自由のために闘う国家が、イランを支えるロシアの独裁体制を助けているのは本当に悲しい」と彼は言う。「イスラエルは、ロシアで自由のために戦う人々に圧力をかける手助けをしている」。
ピボバロフのiPhone 12がセレブライトのデータ抽出ツールに接続され、ロシア連邦保安庁の標的に
Citizen Labの研究者がピボバロフのiPhone 12を分析したところ、2021年6月にUSB経由でUFED(Universal Forensic Extraction Device)に接続されていたことが分かった。UFEDは、セレブライトの主力モバイルデータ抽出ツールである。ピボバロフはiPhone 12のパスコードをロシアの捜査当局に渡していないため、捜査当局がUFEDを使って端末に侵入した可能性が高い。
Citizen Labによれば、捜査当局はその後、ピボバロフが代表を務めたOpen Russiaの同僚など、特定の連絡先を端末から抜き出した。そして研究者によれば、こうして抜き取られた連絡先の一部が、その後FSB(ロシア連邦保安庁)の関与するサイバー監視作戦の標的となった。標的とされた人々には、オンラインアカウントを乗っ取ろうとするフィッシングのメッセージが送られたという。


