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気候・環境

2026.06.27 09:00

記録的な猛暑が欧米を襲う 暑さの危険性を軽視する人々の心理とは

猛暑の中、英首都ロンドンを歩く観光客。2026年6月19日撮影(Richard Baker / In Pictures via Getty Images)

猛暑の中、英首都ロンドンを歩く観光客。2026年6月19日撮影(Richard Baker / In Pictures via Getty Images)

異常な猛暑が欧州を襲っている。英国は6月の過去最高気温を更新し、フランスでは観測史上最高気温を記録した。欧州全土で生活基盤が混乱し、猛暑による死者も出ている。米国では7月4日の週末までに東海岸の一部で気温が38度を超える熱波が襲うと予想され、国内の多くの地域が備えている。この異常な暑さはエネルギー生産や公衆衛生、農業、社会基盤、航空業界などに影響を及ぼしている。

だが、一般の人々の多くは夏の暑さを非常に狭い視野でしか捉えていない。気象予報士が暑さの危険性を警告する一方で、ソーシャルメディア(SNS)や日常の会話では、「夏だから暑いのは当たり前だ」といった単純化した反論があふれている。こうした誤った認識は危険だ。では、どうすればこの危険を避けられるだろうか?

本稿を書くきっかけとなったのは、米ノースジョージア気象局の気象予報士リリー・チェーニーがSNSに投稿した記事だった。筆者がフォローしている優秀な気象学者であるチェーニーは、6月末から7月にかけて気温がかなり高くなると警告した。これに対し、「夏は暑いのが当たり前だ」という理由で、不必要な警告だというコメントが寄せられた。これを見て、筆者は気象当局者が暑さによる危険性を伝える上で、いかに困難な戦いを強いられているかを痛感した。

6~7月は確かに暑い。しかし、多くの人はそれが何を意味するのか、そして気温がどのように変化していくのかについて、例年との微妙な違いを見落としている。米南部ジョージア州アテネの7月1日の平均気温は32度前後だが、今年は38度近くになる可能性がある。この6度の差は大きな意味を持つ。熱波による危険性を高め、社会基盤を弱体化させ、家庭の光熱費にも負担をかけるからだ。

日中にこれほど温度が上昇すると夜間の気温も下がりにくくなり、高齢者や子ども、あるいは十分な冷房設備のない家庭にとっては特に過酷な状況となる。これが、欧州での記録的な高温が問題視されている理由だ。欧州では、冷房設備を備えた家庭は4軒に1軒程度しかない。現在の熱波では、夜間でも気温が30度以上にとどまることもある。この状況について、米海洋大気局(NOAA)の元気象予報士リチャード・ヘニングは、筆者にこう語った。「都市部の最大の問題が、夜間の最低気温の急激な上昇にあることを説明するのは実に難しいと感じている。多くの人は簡単な説明を聞くだけの集中力を持っておらず、『暑いのは当然だ』という大ざっぱな理解で冷笑に付してしまう」

筆者の取材に応じた米サウスアラバマ大学の元気象学講師ジョーダン・マクラウドは、「異常なのは極端な湿度の高さだが、多くの人は暑さを気温という一面的な視点のみで捉えがちだ」と指摘した。「暑さ指数」や「不快指数」は、気温と湿度がもたらす危険性を人々に伝えるために設定された。

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翻訳・編集=安藤清香

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