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気候・環境

2026.06.27 09:00

記録的な猛暑が欧米を襲う 暑さの危険性を軽視する人々の心理とは

猛暑の中、英首都ロンドンを歩く観光客。2026年6月19日撮影(Richard Baker / In Pictures via Getty Images)

もし「米国で毎年最も多くの死者を出している気象現象は何か?」と一般の人に尋ねたら、ほとんどの人が竜巻やハリケーン、あるいは落雷と答えるだろう。ところが、米国立気象局(NWS)の統計によると、実際には熱波なのだ。

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ハリケーンの危険性を伝えるために使われている「サファ・シンプソン・スケール」のような指標こそが、熱波の脅威を周知する上で解決策になり得ると筆者は考えている。欠点はあるにせよ、人々はそうした指標を受け入れやすいからだ。

欧州では、極端な気象の脅威の水準を示すために色分けされた等級が使用されている。英気象庁は26日、猛暑に対する「赤色警報」を発令した。これにより、猛暑に対する赤色警報が3日連続で出されたことになる。これは英国で現在の気象警報制度が整備されて以降初となる。

猛暑を軽視する人々の心理とは?

2022年に米オレゴン公共放送(OPB)が掲載した論説の中で、米公共ラジオ放送(NPR)の気象予報士ローレン・ソマーは、米国で猛暑に関する情報発信が十分でない理由について、以下の点を挙げた。

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● NWSが発する不快指数に対する誤解や、それに伴う危険性の過小評価。不快指数はかなり限定的な指標であり、活動的な人や屋外労働者、スポーツをする人が直面する暑さに伴う危険性の全容を捉えきれていない。

● 多くの人は暑さを「毎年夏に訪れる厄介なもの」と捉えているが、危険性を伴う極端な気象現象を見分けるための基準を持っていない。これは、極端な降雨でもよく見られる現象だ。人々は日常的に雨を経験しているため、昨年、米南部テキサス州ヒルカントリーを襲った洪水のような極端な降雨が警告されても、その危険性を過小評価したり誤解したりしがちだ。

● 人々は気候変動によって熱波の強度と頻度が上昇していることに気づいていないかもしれない。言い換えれば、現代の熱波は、母親や祖母の時代の夏の暑さとは異なるのだ。これは統計によっても裏付けられている。

油断は禁物

朗報としては、NWSが現在、熱波注意報や警報に加え、欧州の制度に類似する「熱波リスク」尺度を導入していることだ。こうした尺度が一般の人々に浸透することを願っているが、専門家である筆者の感覚としては、ほとんどの人は熱波リスクが何なのかを全く理解しておらず、単に天気アプリの気温を見て「暑い!」と結論付けているだけだろう。

私たちは人生の中で毎年夏を経験しているが、過去の暑さを基準にすると、誤った安心感や油断が生じる。人々は6月下旬のたまたま暑い日と、その週の例年の平均気温を大幅に上回る異常な熱波を、誤って同一視してしまいがちだ。米公共リスク管理協会(PRIMA)は次のように指摘する。「油断とは、脳が前頭前野の活動や実行機能をあまり必要としない神経経路を活性化させることで、外部の危険に対する認識と感受性が低下する状態だ。油断は習慣の副産物だ」

気象分野の専門家としての経験を通じて、筆者は暑さに対する一般の人々の認識に関して、危険な構図があることに気づいた。熱波の危険性は、暑さに対する弱さ、適応能力や対処能力、油断、そして気候変動という新たな現実に対する誤解といった要素の複合的な結果として生じる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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