映画館事業である傘下のメガボックスも、コロナ禍以降の映画市場の低迷から回復できず、慢性的な赤字が続いた。回生手続き申請の3週間前にもコンテンツ制作会社のコンテントリ中央がメガボックス中央に210億ウォン(約22億4300万円)を緊急注入するなど、グループ全体で資金を回し続けるという自転車操業が続いていた。
こうした複合的な要因が積み重なった末に、2026年6月12日の債務不履行が発生したのだ。
JTBC単体の借入金は約6211億ウォン(約663億円)。コンテントリ中央の負債は1兆8000億ウォン(約1912億円)を超えており、持株会社の中央ホールディングスは連結ベースで負債比率が4500パーセントを超え、完全な債務超過状態にあった。
中央グループ主要8社の合計総借入金は約2兆7400億ウォン(約2926億円)に上り、金融機関の危険エクスポージャー(損失リスク額)は総計約2兆1000億ウォン(約2242億円)とされる。
JTBCの副会長である洪正道氏は記者会見で次のように述べた。
「会社はこれまで経営安定のために最善を尽くしてきたが、対外的な経済情勢の悪化と信用格付けの低下による資金逼迫など、さまざまな理由により本日やむを得ない選択をせざるを得なかった。関係者の皆様に、あらためて心よりお詫び申し上げる」
ソウル回生法院は、6月23日、申請した中央グループ5社の代表者審問を実施した。法院は今後約1カ月をかけて回生手続き開始の可否を判断する見通しだ。なお、JTBCと法的に独立した法人である中央日報も、この余波を受けてワークアウトの推進を発表している。
韓国の放送・メディア通信委員会は、JTBCの放送再認可審査において流動性問題を精査する方針を示しており、JTBCが放送免許を維持できるかどうかも今後の焦点の1つとなる。
業界では、グループ全体の資産売却や買収(M&A)が進めば、企業の支配構造は変わりつつも個々の企業が清算に至る可能性は低いという見方もある。一方、メディア産業自体が低迷するなかで買い手が現れなければ回生手続きが長期化する可能性も排除できない。
かつて「韓国の良心的なジャーナリズム」の象徴とも称されたJTBC。OTT時代の荒波と、巨額の放映権投資という判断ミス、そして大口スポンサーとの関係悪化という三重苦が積み重なった末に、韓国を代表するメディアグループは歴史的な岐路に立たされている。


