ネスレとノードストロムがエージェント型コマースで優位を固める
ネスレ、ディアジオ、ジャイアント・イーグル、ノードストロムのようなブランドは、すでにこうしたプラットフォームを導入している。こうしたブランドの強みは、導入の速さだけではない。そのカテゴリーで先んじて地歩を固めた点にある。消費者がある商品カテゴリーについてLLMに尋ねたとき、最初に出会う主要ブランドが、その後のやり取り全体の判断の物差しになる。最初に見つけてもらい、質問に最も正確に答え、最もなめらかな購入体験を届けるブランドが、飛び抜けたシェアを握ることになる。
この優位性は、複数のLLMプラットフォームが十分な規模に達すると、さらに大きくなる。
たとえば、ChatGPTはすでに主要な利用窓口になっている。Google Geminiは導入を加速しており、Amazon Alexa for Shoppingはユーザー向けに実験を進めている。一方で、Walmart Sparky(ウォルマート・スパーキー)とTarget(ターゲット)のAI Shopping Assistantも勢いを増している。
今日、ChatGPTとGeminiで本番運用できる状態にあるブランドは、小売業者のエージェントや新興プラットフォームへ広げるための実務能力を、競合より何カ月も早く築いていることになる。
エージェント型コマースのインフラ:誰が基盤を握るのか
本当の狙いは、ブランドごとの導入ではない。Shopify(ショッピファイ)がD2C型ECの基盤になったように、どのプラットフォームがエージェント型コマースの基盤になるかである。
DaVinci Commerceは、ChatGPT、Gemini、Alexa、Sparky、Target、そしてブランド自身が持つ販売の場までを、1度の連携でまとめて支えることで、この座を狙っている。こうしたチャットの窓口がUCPやACPといった相互運用できる標準を取り入れていけば、企業は機械が読み取れてLLM向けに最適化された商品コンテンツを公開でき、エージェント型コマースの中に新たな収益の道を開ける。
同社はまた、企業が求めるコンプライアンス上の安全策、複数のエージェントをまたいでコンテンツを連携させる仕組み、評価・レビュー機能も構築している。
エージェント型コマースにどう対応すべきか
ISGのパートナーで、AIおよびソフトウェア担当チーフアナリストであるマーク・スミスは、企業に対し、次の4つの戦略的取り組みを優先するよう勧めている。
・AIが利用できる、構造化された商品情報を基盤として整備する
・エージェント同士が連携できるように、APIと処理を調整する仕組みを近代化する
・AIを介した取引のために、ガバナンスと信頼のフレームワークを確立する
・AI主導の顧客対応と、自律型コマースのライフサイクルに備える
今後重要になるのは、どのプラットフォームベンダーが最も多くのブランドを本番運用に乗せ、コンプライアンス機能と分析機能を最も速く提供し、最終的に買い物体験の土台となるデータの層を支配するかだ。利益が生まれるのはそこだ。
現在エージェント型コマースを使いこなすブランドが、今後10年にわたりこのカテゴリーを形づくることになる。DaVinciとアクセンチュアは、基盤となる仕組みがどこへ向かっているかを示した。エージェント型コマースの先行企業は、長期的な優位を固めることになる。


