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2026.06.26 12:30

OpenAI初の独自チップ「ハラペーニョ」、ブロードコムと共同開発──投資家が知るべき真の勝者は?

OpenAI初の独自チップ「Jalapeño」(ハラペーニョ。写真中央)。一般的なAI向けGPUと比べて、推論を約半分のコストで実行できるという。写真左はOpenAIのサム・アルトマンCEO、写真右はブロードコム(Broadcom)のホック・タンCEO。(C)OpenAI

1度きりの解決策ではない

チップを所有することは、スイッチではなく道のりである。独自シリコンの構築には、企業が自給自足に近い状態へ到達するまで、何年にもわたるエンジニアリングの反復が必要だ。その最も明確な証拠は、最も先行している企業にある。

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例えばグーグルは、約10年前に自社AIチップの設計を始め、2026年になってようやく第7世代となるIronwoodに到達した。これは推論専用として初めて作られたTPUである。カスタムシリコンは継続的なプログラムであり、たった1回のリリースでハードウェア不足が1夜にして消えるわけではない。ハラペーニョは第1世代にすぎない。

従って、商用サプライヤーが消えることもない。最初の生産ロットが企業の需要全体を満たすことは稀であり、ハラペーニョが立ち上がる間もOpenAIは外部ベンダーから推論チップを買い続けることになる。独自シリコンは、OpenAIがすでに稼働させているハードウェアを置き換えるのではなく補完する。つまりカスタムプログラムが成長しても、商用チップの市場全体で需要は生き続ける。この点は、単純な物語とは逆を示す。カスタムチップは、OpenAIがサプライヤーから離れるようにも見えるが、目先の現実は、需要に追いつくために自社シリコンと他社シリコンの両方を必要とする企業の姿である。

グーグル、メタ、OpenAIの3社が、独自チップをブロードコムの技術の上に築いている

ここが押さえるべきポイントだ。AIソフトウェア競争は騒がしく、勝敗を見通すのは本当に難しい。どの最先端モデルが勝つのか、どのAI研究所が先行するのか、どのアシスタントに市場が最終的に落ち着くのか。いずれも予測は容易ではない。そのすべての下にあるカスタムシリコンを設計する企業を保有することは、この当て物ゲームを完全に回避する。

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さらに、こうした関係は顧客が気軽に離れられるものではない。チップの共同設計は、出荷後も長くAI研究所と設計会社を結びつける、何年にもわたる共同エンジニアリング、知的財産、そしてハードウェアのロードマップを意味する。提携が長く続くほど解消は難しくなり、それが単発の設計採用を継続収益へと変える。

グーグル、メタ、OpenAIはいずれもブロードコム上でカスタムチップを構築している。これは、AIモデル間の騒がしい競争を、それらすべての下に座る企業にとっての安定的で予測可能な収益へと変える。それが「料金所」の姿である。どの車が最速でも関係ない。全車が道路を使うために料金を払うからだ。受注残がすでにそれを示している。ブロードコムは2026年度第1四半期にAIチップ売上高84億ドル(約1.35兆円。1ドル=161円換算)を計上し、前年同期比で106%増となった。また、確定受注として730億ドル(約11.75兆円)の受注残を抱えており、これは同社全体のほぼ半分に近い。経営陣はこれを、2027年までに年間AIチップ売上高1000億ドル(約16.1兆円)へ向かう道筋と結びつけている。

制約は製造、台湾積体電路製造(TSMC)がペースを決める

この一連の制約は設計ではない。製造である。ハラペーニョを含む前述のチップはいずれも、先端製造と、計算とメモリーを単一の動作部品へ結合する特殊なパッケージングについて、台湾積体電路製造(TSMC)に依存している。そのパッケージング能力は2026年まで完売しており、業界全体の需要は供給を大きく上回る。OpenAIは列を飛ばせない。世界の主要テック企業と並んで限られた割り当てを争うことになる。だからこそ、設計が完成しても、それがいつラックに収まるチップになるかはOpenAIだけでは決められない。

このボトルネックこそが、静かにこの投資仮説を支える理由でもある。希少資源が先端シリコンの製造・パッケージングという物理的能力であるなら、設計と製造の関係性を握る企業は、まさに希少性の中心に位置している。

「ツルハシとシャベル」の論理

さまざまなニュースは、この点についてOpenAI対(エヌビディアなどの)チップ供給企業、すなわちソフトウェア企業の独立と評するだろう。だが、より持続的な読み筋は、その逆を行く。こうした長期的な構造変化は、誰もが注目する銘柄にボラティリティをもたらす一方で、その下のインフラは必要であり続け、しかも多くは華やかさを欠いたままだ。

カスタムAIチップの波で最も利益を得るのは、シリコンに名前を刻むために競争する研究所ではない。すべてのチップに必要なものを所有する企業だ。設計図、パッケージングの関係、製造へのアクセス。ブロードコムはその最も明確な例だ。最大級のAI企業3社の独自開発プログラムの内側に、ブロードコムのアーキテクチャが同時に組み込まれている。チップに刻まれる名は変わり続ける。だが、それを設計する企業は変わらない。

forbes.com 原文

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