戦時下で進むウクライナの軍事技術の革新が、外交上の成果を生み出し始めている。同国が無人機(ドローン)を用いた戦闘や軍事戦略の適応で世界的な指導者となったことで、防衛力を強化するための手頃な手段を求める各国がウクライナの動向に注目している。
この傾向を如実に物語る事例として、ウクライナとアゼルバイジャンの関係強化が挙げられる。アゼルバイジャンは豊富なエネルギー資源と南カフカスという地理的位置から、欧州にとって戦略的な重要性が増している国だ。
近年、アゼルバイジャンとロシアの間で緊張が高まっていることで、注目が集まっている。2024年12月に発生したロシアの誤射によるものとされるアゼルバイジャン旅客機の墜落事故を受け、両国の関係は急激に悪化し、近年まれに見る深刻な危機に発展した。
だが、筆者の取材に応じたカーネギー・ロシア・ユーラシア・センターのザウル・シリエフ研究員は、両国の対立はアゼルバイジャンのウクライナに対する姿勢を根本的に変えるものではなかったとみている。「アゼルバイジャンとロシアの緊張は、アゼルバイジャンをウクライナに接近させることにはならなかった。たとえそれが目に見える形ではなかったとしても、支援は以前から存在していたのだ」
アゼルバイジャンは一貫してウクライナの領土保全を支持し、人道支援とエネルギー支援を続けてきた。この支援は、アゼルバイジャンとロシアの関係が悪化する以前から続いていたものだ。
ウクライナのオレクサンドラ・ウスチノワ議員は筆者の取材に対し、次のように語った。「ロシアによる侵攻の初期段階でウクライナが深刻な燃料不足に陥っていた際、アゼルバイジャンは燃料供給の安定化に貢献し、重要な役割を果たした。その支援は貴重だった」
両国の関係は現在、実務的なものになりつつある。4月にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がアゼルバイジャンの首都バクーを訪問した際、両国は6つの二国間協定に署名し、防衛と共同工業生産が協力の柱に据えられた。ゼレンスキー大統領は「ウクライナは戦争の中で回復力を示し、その経験を共有しようとしている」と述べ、防衛産業の共同製造計画について説明した。アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領も同様に、軍事技術協力や防衛産業の共同開発の「幅広い展望」を強調した。



