企業は危険なパターンを繰り返している。最も優秀で自立した個人貢献者(ハイパフォーマー)を、そのまま管理職(リーダー)へ昇進させてしまうパターンだ。
組織はすぐに戦略的成功を収められると期待するが、現実には従業員のエンゲージメント低下、利益の減少、そして管理職の燃え尽きが待ち受けていることが多い。この繰り返される経営の失敗は、「私(I)」から「私たち(We)」への視点転換には、一人で成果を出す習慣を捨て、行動を根本から変え、ハイパフォーマーが長期的に成功するための土台を築く必要があることを示している。
この罠の最も危険な極端例を理解するため、私は最近、バロン・ジェームズ・グレイ・ロビンソンに話を聞いた。全国的に名の知られた元法廷弁護士で、何十年にもわたり所属事務所のために何百万ドルもの勝訴金を勝ち取ってきた人物だ。ところが、このハイパフォーマーの罠が、彼の命を奪いかねないところまで追い込んだのである。
2004年、ロビンソンは目覚めたとき、自分のオフィスに文字通り歩いて入ることができないことに気づいた。大規模な神経衰弱を起こしていたのだ。彼の経験と組織心理学を組み合わせると、なぜハイパフォーマーがリーダーとして失敗するのか、そして真の成功に向けていかに脳を「思考回路を書き換える」かが見えてくる。
1. 自立神話
「振り返ると、崩壊は単一の案件や厄介なクライアントのせいで起きたわけではありません」とロビンソンは語った。「何年も抱えてきた信念体系の、予測可能な帰結でした。助けを求めるのは弱さの表れで、自分の価値はどれだけ自分一人で背負えるかで決まる、と信じていたのです」
ビジネスの世界では、「誰よりも早く出社し、誰よりも遅く退社する」社員を称賛する。「ちゃんとやりたいなら自分でやれ」と言う人を評価する。しかし、その人物がリーダーになると、まさにその行動が、有害なマイクロマネジメントと権限移譲できない体質へと変貌する。
2. どれだけ成果を出しても孤立してしまう弊害
ロビンソンの話で最も印象的なのは、最高の売上をもたらしていたにもかかわらず、彼がどれほど孤立していたかだ。「専門的な評価や賞を受けても、パートナーたちはそれを祝うべき成功というより、厄介事のように扱いました」と彼は振り返る。「私が受け取った賞が、文字通りクローゼットにしまわれたことも一度ならずあります。それは、自分がどれほど見えない存在で、評価されていないと感じていたかを示す強烈な象徴になりました」
ハイパフォーマーは、自分が見てもらえていないと感じても、立ち止まらない。ただ、さらに働く。あらゆる失望に対して、より長い労働時間と、より強い意志で応じる。エネルギーが枯渇したまま走り続け、やがて限界に達して破綻してしまうまで、その足を止めようとしない。
3. 完璧主義の罠をめぐる神経科学
弁護士、経営者、そして企業のエリート個人貢献者は、いかなる犠牲を払ってでもミスを避けるよう訓練されている。しかし、卓越と完璧主義の間には大きな違いがある。



