無関心も口出しもNG 大学受験で親が保つべき絶妙な距離感
大学受験は子ども本人がやるもの。親の無関心は問題だが、過保護や過干渉は本人のやる気をそぎ、悪影響を与える。では、親は子どもの大学受験にどう関わるべきか。
竹内氏がNGだと指摘するのは、親が昭和の価値観で接することだ。
「一般入試一辺倒で、そのために何時間も勉強しなければ本人のためにならないと、今も多くの親御さんが考えています。まずは昔と今とでは、入試方式自体が大きく変わっていることを認識していただきたい。そして、お子さんに向いているのは一般入試か推薦入試か、できるだけ早く見極め、後者なら気持ちと対策を切り替える必要があります」(竹内)
一方で、親が積極的に手伝うべきは、我が子の関心の掘り起こしや確認、情報収集だという。明確にやりたいことがない子どもについては、竹内氏は次のようなアプローチを提案した。
「例えばゲームでも、恋愛でもいい。子どもは何かしらの興味をもっています。それに関連する学問の入門書を子どもに渡すところから始めるのも、やり方のひとつです」
さらに竹内氏は、子どもがそもそもどんな学問があるのかを知らないことが多いと指摘。学問の種類やそれをどこの大学・学部で学べるのか、ひいてはそれがどんな仕事につながるのか、親が一緒に調べてサポートしていくことを勧める。
「親子でオープンキャンパスに行き、講義を体験するのも良い方法です。それがきっかけで、大学での学びに興味を持つ子どもも多い。就職もそうですが、インプットが大事。頭の中だけで考えてみても、答えなど出てくるわけがないんです。色々な情報に触れてほしい」
ただし、子どもが受け身にならないよう、できるところはすべて本人にやらせることが肝要だ。親の役割は、子どもの進路情報を幅広く入手して提案することや、子供が書いた応募書類の不備のチェックなど、ポイントを絞った支援にとどめるべきだという。
東大ブランドでも勝てない、就活にアピール入試が効く理由
23年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP)を上梓した竹内氏。すると、多くの就活に悩む大学生の保護者から「大学からでは遅かった。高校生の時から就活を見据え、大学・学部選びをしておきたかった」という声が寄せられたという。
実は竹内氏自身、就活で失敗した苦い経験を持つ。
「エンジニアだった父親の影響で、東京大学の工学部に進み、カテーテルや人工関節などの医療用の素材研究をしていました。しかし、早い段階でものづくりへの関心が薄いことに気づき、一年目の就活では、当時興味があった投資銀行のプロップトレーダー職を目指しました。でも、大学での学びとやりたい仕事が大きくずれていたので、多くの企業に落とされ続け、結局、就職留年をしました」
そうした経験を踏まえ、今では大学受験と就活の支援事業を行う竹内氏だが、アピール入試の対策と就活対策には、共通点が多いと話す。書類に面接にと、選考過程が似ていることに加え、「相手(志望大学・企業)が求めていることや人物像」を理解し、それに応えるマッチング型の選考である点だ。
「大学受験でアピール入試を経験しておくと、将来就活でも生かせます。そうした点を考慮しても、挑戦の価値はあると思います」(竹内)

竹内健登(たけうち・けんと)◎Avalon Consulting株式会社代表取締役。東京大学工学部卒。デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタントとして採用・研修等の業務課題解決を支援した後、就活塾「ホワイトアカデミー」、総合型選抜対策の「ホワイトアカデミー高等部」を創立。著書に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』『勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法』(共に日経BP)など


