主な理由のひとつが近年、竹内氏が「アピール入試」と呼ぶ、総合型選抜(旧AO入試)と公募推薦だ。それらは各大学の求めるアドミッションポリシー(学生像)に合った学生を募る試験形式で、高校での評定に加え、書類提出、面接、大学独自の課題スコアなどの総合点で合否が決まる。
学習意欲や思考、自分の強み、将来やりたいことなどをいかに上手くアピールできるかが評価の軸となるため、筆記試験が苦手でも難関大学に逆転合格できる可能性がある。
スタートは高校受験から、アピール入試に有利な学校選び
アピール入試に勝つうえで一番大切なことは、できるだけ早く同入試方法で勝負すると決めることだ。竹内氏は「できれば高校受験の段階で決断したい」と言う。進学先の高校によって、学びの内容も評定の付き方も変わってくるからだ。
一般入試がペーパーテストで「知識・技能」を測るのに対し、アピール入試は「思考や表現、主体性、協働性」を重視する。そのため、探究活動が活発な高校が有利だ。
なかでもSTEAM教育(※4)を掲げる高校は、研究や実験が盛んで、高大連携プログラムや外部コンテストへの参加機会が多く、アピール入試の出願材料をつくりやすい。国際的な活動が盛んな学校、レポートやプレゼンの機会が多い学校も、同様だ。
※4…科学・技術・工学・芸術・数学の5分野を統合的に学ぶ教育手法
とはいえ、アピール入試で必要になるもうひとつの要素が評定だ。難関大学には、評定平均4.0以上を求められるケースが多い。そう聞くと、定期テストで常に高得点を取り続けねばならず、ハードルが高いと感じるかもしれない。しかし、過度に身構える必要はないと竹内氏は説明する。
探究活動やレポート、プレゼンの機会が多い学校では、評定の判断基準がそれらへの取り組み姿勢や思考に置かれているため、ペーパーテストの結果が占める割合は自ずと小さくなる。最近では、定期試験のない高校も少なくないという。
「やるべきことをやっていれば、高い評定平均を取りやすい仕組みになっています。その高校が、今の大学入試の形に合わせた戦略を持っているかどうかが大きい」(竹内)
総合型選抜は高校3年の9月に、学校推薦型選抜は同年の10月下旬~11月に出願が始まる。
「十分な対策をするためには、遅くとも高2の夏休みまでに志望の大学・学部を決めておきたいものです」(竹内)
「倍率1倍台」も アピール入試で狙い目の難関大学
では、アピール入試で比較的合格しやすい難関大学はどこか。
まず、早慶やMARCHは付属校からの内部推薦組が多く、外部受験者向けの推薦枠は狭き門となる。一方、上智大学は付属校をもたず、5割超が外部からの推薦枠で入学してくる。全学部で推薦入試を実施している点も特徴だ。
「なかでも神学部や文学部は倍率が比較的低い傾向にあり、狙い目と言えるでしょう」(竹内)
さらに、竹内氏が挙げるアピール入試で入りやすい難関大・学部は次の通りだ(25年度の入試情報に基づく)。
例えば、総合型選抜の青山学院大学文学部史学科、法政大学文学部地理学科は、英検、課外活動の実績がなくても応募でき、二次選抜でも歴史(青学)あるいは地理(法政)の筆記試験と面接が課されるだけ。歴史、地理分野に自信がある学生なら、候補に入れたい。
また、立命館大学文学部 国際文化学域 人文学プロポーザル方式入試では、提出書類として、大学4年間で学びたいことを具体的に書く「プロポーザルシート」が課されるが、二次選抜はプレゼン、質疑応答、面接のみ。
「確かにプロポーザルシートやプレゼンの準備には、下調べや作成のための時間が必要となりますが、英検や評定平均などの条件は一切問われません。それなのに倍率が一般入試の2.7倍と比べて1.4倍とかなり低い点は、ポイントです」(竹内)
アピール入試で狙い目の難関大「総合型選抜」
一方の公募推薦で、竹内氏が挙げた難関大・学部は下の表の通りだ。上智大学文学部ドイツ文学科は、一般受験の倍率が4.5倍に対し、公募推薦入試は2.8倍、学習院大学経済学部でも、一般受験の倍率4.7倍、公募推薦入試は2.1倍と倍率が低めになっている。
いずれも英検2級以上の語学力や4程度の評定平均は受験資格として求められるが、課外活動の実績なしで応募できる点も、注目すべきだという。
アピール入試で狙い目の難関大「公募推薦」


