今週、アデルは約5年ぶりとなるニューアルバム『25』からシングル「Hello」を先行発売し、ジャスティン・ビーバーのキャッチーな新曲も含め、他を大きく引き離して堂々の1位に輝いた。しかも、ただの1位ではない。「Hello」はリリース後1週間で111万ダウンロードを記録し、この期間のシングルの売上としては歴代トップとなった。これは2009年、フロー・ライダーが「ライト・ラウンド」を初週に63万6,000件売り上げて記録を更新したときの、2倍近い数字だ。
アデルの偉業はその販売数の多さ以上の意味がある。「Hello」は、音楽を誰も購入しなくなったこの時代に、6年ぶりに販売記録を塗り替えたのだ。iTunesや他のオンラインストアで音楽が購入できるようになったおかげで、初週のシングルの売上が大きく伸びた有名ミュージシャンもいたが、現在状況は変わりつつある。
ストリーミングサービスが普及した影響で、ここ数年は有料のダウンロード件数は落ち込んでいる。たった1週間でアデルがこれほど多くのシングルを売り上げることができたという事実は、彼女が幅広い層から絶大な支持を得ていることを物語っている。アデルが樹立したこの記録は、この先誰も破ることができないものである可能性が高い。
興味深いことに、初週の売上が歴代トップ10のシングルのうち、最終的にビルボードのホット100で実際トップになった楽曲は「Hello」を含め7曲のみ。初週にそれだけ売り上げていて注目度が圧倒的に高い曲であれば、ホット100でいずれ1位を獲得するのは当然だと思われそうだが、ジャスティン・ビーバーの「ボーイフレンド」、マルーン5とウィズ・カリファの「ペイフォン」、アリアナ・グランデとイギー・アゼリアの「プロブレム」はどれも1位には及ばなかった。
初週の売上が歴代トップ10のシングルは以下のとおり。
1位:アデル「Hello」/111万件(2015年)
2位:フロー・ライダー「ライト・ラウンド」/63万6,000件(2009年)
3位:テイラー・スウィフト「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」/62万3,000件(2012)
4位:ケイティ・ペリー「ロアー ~最強ガール宣言!/55万7,000件(2013年)
5位:テイラー・スウィフト「シェイク・イット・オフ〜気にしてなんかいられないっ!!」/54万4,000件(2014年)
6位:ジャスティン・ビーバー「ボーイフレンド」/52万1,000件(2012年)
7位:マルーン5「ペイフォンfeat.ウィズ・カリファ」/49万3,000件(2012年)
8位:ブラック・アイド・ピーズ「Boom Boom Pow」/46万5,000件(2009年)
9位:レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」/44万8,000件(2011年)
10位:アリアナ・グランデ「プロブレムfeat.イギー・アザレア」/43万8,000件(2014年)