オフィス回帰には、多くの組織が失ったと感じていたものを取り戻す狙いがあった。信頼、文化、協働、そして人と人とのつながりである。
しかし、物理的に近くにいることは、帰属意識と同義ではない。
オフィスだけではつながりは回復しない
パンデミック以降、多くの出社義務化は、「エンゲージメント」の名の下に正当化されてきた。対面のやり取りは信頼を深め、コミュニケーションの微妙なニュアンスを取り戻し、人間関係を強め、共通の取り組みの一員だと感じさせるはずだ。これらは確かにその通りである。だが、自動的に起きるわけではない。
4月、ギャラップは、世界の従業員エンゲージメントが2020年以来の最低水準に落ち込んだと報告した。現在「エンゲージしている」と分類できる労働者は約5人に1人にすぎない。これは大規模なグローバル調査だが、おそらくあなた自身もこうした傾向を目にしたり、直感的に感じ取ったりしているのではないだろうか。
職場で、鼓舞されている、受け入れられている、意味あるつながりがあると感じる人は、あまりに少ない。
人々は在宅勤務を手放すために大きな犠牲を払った。通勤時間の増加、子育てや介護における柔軟性の低下、日々の生活リズムを自分でコントロールできないことなどである。にもかかわらず、エンゲージメントや包摂の感覚が、必ずしもオフィスに一緒に戻ってきたわけではない。
これは憂慮すべきことである。私たちの多くは、起きている時間の大半を仕事に費やしている。だからこそ、この課題をビジネスや労働力の問題としてのみ捉えるべきではない。社会全体における意味、目的、そして帰属意識にかかわる喫緊の問題なのである。
つながりは帰属意識と同じではない
今年の初め、Belonging Forumは、英国における帰属意識の現状について、これまでで最も広範な定量調査を実施した。Belonging Barometerでは、労働者の4分の3以上が同僚と少なくとも週1回は交流していると回答した。だが、働く相手との会話を楽しんでいる人は約半数にとどまり、チームの一員だと感じている人は半数未満だった。人々はつながってはいるが、帰属意識を得てはいない。
帰属意識とは、「自分がいるべき場所にいる」という経験である。完璧である必要はない。しかし少なくとも一定のレベルで、つながりと尊重を感じ、自分の声があり、選択肢があり、共通の目的に参加できていると感じることを意味する。
職場の疎外感に単一の答えはない。エンゲージメントは、報酬、階層、雇用の安定、柔軟性、マネジメントの質、評価・承認、そしてAIをめぐる不安など、幅広い要因によって形づくられる。それでも、組織がシンプルに、そして今すぐ着手できる実務的な領域が1つある。
「会議のあり方」に焦点を当てることだ。
会議は文化が可視化される場所である
会議はしばしば、事務的な必要事項として扱われる。予定を入れ、耐え、やり過ごすものだ。しかし文化という観点では、会議や集まりこそが実践の現場である。人が集う場においてこそ、組織の価値観が本物かどうかを見極めることができる。
会議がいかにエンゲージメントを損なうかは、誰もが経験しているだろう。1人か2人が話し続ける、カンファレンスが1日中講義の連続になる、合宿が過密で本当に問うべき論点が浮かび上がらない、あるいはハイブリッド会議で、リモート参加者が「意味ある形では入れない部屋」を眺めるだけになる。集団には必要な知恵があるのに、フォーマットがそれを引き出せないのだ。
帰属意識は、単にグループの一員だと感じることではない。私は帰属意識を4つの次元で捉えている。人(people)、場所(place)、権限(power)、目的(purpose)である。会議は、これらの次元を損なうことも、強めることもできる。
帰属意識が育つ会議を設計する7つの方法
1. 「なぜ」から始める。 エンゲージメント低下に対する最善の解毒剤は、共有された目的である。何を扱うかを問う前に、その会議は何のためなのかを問うべきだ。人々は集まった結果として、何を理解し、何を決め、何を感じ、何を違う形で実行するべきなのか。目的がなければ、会議は「見せ場」になる。
2. 発言と選択の余地を提供する。 部屋が満席であることと、参加型であることは別である。いつも同じ少数が支配しているなら、設計が失敗している。まずは沈黙の内省から始める。誰も話す前に、アイデアを書き出してもらう。大人数は小グループに分ける。匿名で質問を投稿できる「アイデアの壁」をつくる。
3. 権限について正直である。 帰属意識には主体性が必要であり、同時に正直さも必要だ。偽りの「意見聴取」ほど冷笑を生むものはない。何がすでに決まっているのか、何が影響可能なのか、そして意見がどのように使われるのかを参加者に伝える。最終決定権が1人にあるなら、その人物は丁寧に耳を傾け、謙虚さを示し、敬意ある形でフォローを行うべきである。
4. アクセシビリティを設計する。 歓迎され、アクセスしやすく、適切なテンポの場は、「あなたは大切にされている」というメッセージになる。対話が重要なら椅子を円形に並べる。声が届くと言われてもマイクを使う。食べ物の表示は明確にする。休憩をきちんと設ける。重要資料は読みやすい版も用意する。ハイブリッド会議では、リモート参加者の代弁者となる担当者を置く。
5. 心理的安全性を実務に落とし込む。 心理的安全性は流行語や雰囲気の話に聞こえがちだが、実際には具体的な条件を指す。人々は、質問し、懸念を示し、リスクを指摘し、反対意見を述べても、社会的な屈辱やキャリア上の代償を負わないと分かっている必要がある。行動規範を明確に言語化する。例えば、遮らない、反論の前に友好的な質問をする、敬意をもって異議を唱える。
6. 重要度が高いときは共同で設計する。 多くの会議は短時間で、簡単なプレゼンと意思決定で足りる。しかし、多くの利害関係者に影響する重要な会議では、より広いインプットが有益になり得る。最も影響を受ける人々とともに会議を形づくる。情報や決定を一方的に届けるのではない。こう問うべきだ。「何があればこの時間は価値あるものになるか」「人々が正直に話すために何が必要か」
7.フィードバックを閉じる。 帰属意識は、自分がそこにいたことが本当に意味を持ったと人々が確認できるときに育つ。最後に、コミットメント、責任者、次のステップを明確にする。その後、「何を聞いたか」「何を決めたか」「何が未解決か」「次に何が起きるか」を短いメモで共有する。可能であれば、満足度だけでなく帰属意識を測定する。
会議やカンファレンスは文化を示す。人々に、自分は重要か、率直さは安全か、違いは役に立つか、リーダーシップは耳を傾けるか、共有された目的は本物かを教える。世界中の組織は、つながり、主体性、共有目的の深刻な不足に直面している。
よく設計された会議は、小さいながらも力強い修復の行為になり得る。



