AI企業は依然としてチップ不足に直面しているが、その一因は、供給をはるかに上回る前例のない需要にある。マイクロンはこの状況を維持したいと考えている。3月にメロトラは、マイクロンが顧客の需要の50~75%しか満たせていないと述べた。マイクロンは、AIによって牽引される激しい市場需要を供給が上回らないよう、アイダホ州とニューヨーク州の新工場の建設をあえてペース調整してきた。
米国を拠点とする唯一のメモリーメーカーであるマイクロンには優位性があるが、AIの追い風を受けているのは同社だけではない。韓国のメモリー大手SKハイニックスは、2026年第1四半期に前年同期比198%増となる過去最高の355億ドル(約5.75兆円)の売上を計上した。2025年の売上は681億ドル(約11.03兆円)で、利益は約330億ドル(約5.35兆円)へと倍増した。これらの目覚ましい数字により、同社はグローバル2000で順位が107上昇し、48位となった。
もう1つの韓国の複合企業サムスン(Samsung)は、AIインフラブームのおかげで、今年第1四半期にメモリー事業から前例のない504億ドル(約8.16兆円)の売上を計上した。しかし同社は、従業員がストライキを示唆する事態に直面しながらも、世界的なサプライチェーン危機をかろうじて回避した。難航した交渉の末、同社はチップ部門の一部従業員に対し、1人当たり平均約40万ドル(約6480万円)のボーナスを支払うことに合意した。同社は上位20社の中で唯一海外を拠点とするテクノロジー大手であり、2025年の19位から今年は15位に上昇した。マイクロン、SKハイニックス、サムスンという三大メモリー巨人は、いずれも時価総額1兆ドル(約162兆円)に到達している。
ほかの半導体企業も恩恵を受けている。AIチップ大手のエヌビディアは20順位上昇し、ライバルのAMDは順位が116上昇して現在194位となった。OpenAI、グーグル、メタ向けにカスタムAIチップを設計するブロードコム(Broadcom)は順位が15上昇して53位となった。チップメーカーのセレブラス(Cerebras)は5月に上場し、今年初めて1611位でリスト入りした。同社は黒字ではないものの、2025会計年度の年間売上高は5億1000万ドル(約826億2000万円)で、2024年の2億9030万ドル(約470億2900万円)から76%増加したと報告している。


