ネットショッピングで、いざ購入しようと思ったら画面いっぱいにネット広告が表示され、小さな閉じるボタンをタップしたら狙いが外れて広告のサイトに飛ばされて……、なんて経験をした人は多いだろう。アレがどれほど嫌われているか、調査によって明らかになった。
EC・OMO向け統合型MA/CRMプラットフォーム「EC Intelligence」を提供するシナブルは、おもにスマートフォンでネットショッピングをする20〜50代の男女1003人を対象に、ネットショッピング中に現れるポップアップのストレスに関する調査を行った。それによると、ポップアップ広告にストレスを感じる人は、「よくある」(37.1%)と「ときどきある」(42.7%)をあわせて79.8%にのぼった。

ストレスを感じるという人たちがよく遭遇するポップアップで多いのは、クーポン配布やセール情報に関するもの、閲覧履歴に基づいたおすすめ商品、外部サイトへの広告など。本来、ユーザーにとってメリットであるはずのクーポンやセール情報も、こうした形で押し付けられると迷惑に感じてしまうというわけだ。

具体的にどこに不満を感じるかを聞くと、もっとも多かったのが、「閉じる」ボタンが小さくて押しにくい、「閉じる」ボタンがわかりにくい場所にある、画面全体を覆いコンテンツが見えなくなる、などが示された。
「閉じる」ボタンを押そうとして誤って広告や別のページに飛ばされてしまいイライラした経験のある人は、じつに93.2%ということだ。

また、購入手続き中にポップアップが表示され、購入をあきらめたことがある人は、「よくある」(21.9%)を含めて63.5%にもなった。
さらに、探している商品とは無関係なキャンペーン情報のポップアップが現れたときの印象を尋ねると、「押し売り感が強く、サイトへの好感度や信頼度が下がる」「ユーザーへの配慮に欠ける不親切なサイトだと感じる」、「不信感を抱き、二度と利用したくないと感じる」などがあげられた。
ここまで嫌われ、ブランドイメージが低下しても、ポップアップ広告を出してくる広告主は、何を考えているのか。じつはそこには、ネット広告ならではの事情がある。
「閉じる」ボタンをわざと小さくしたり、わかりづらくしたりするのは、「ダークパターン」と呼ばれる詐欺まがいの広告手法だ。ユーザーが「閉じる」ボタンを押し損なって広告のサイトに飛ばされると、ユーザーが広告をタップしたカウント(クリック数)が1つ増える。広告代理店は、そのクリック数の多さを根拠に、広告主に宣伝効果の高さを謳い、広告を獲得するというわけだ。だから、ユーザーの操作ミスを誘うための悪質な工夫が故意に施されている。
ユーザー体験や、長期的な広告主のメリットを無視して、広告代理店が自社の利益のみを優先させる不誠実なビジネスの実態がそこにある。そうした不正を許さないためにも、ユーザーは、ダークパターンを用いた広告の「閉じる」ボタンを慎重に押すか無視することが大切だ。広告主も、自社の広告がダークパターンになっていないかを確認する必要がある。この調査でわかったとおり、不誠実なポップアップ広告はブランドイメージの低下を招き、ユーザーを離れさせてしまう。まったくの逆効果であることを認識して、悪質な業者に頼らないことが肝要だ。



