クックが製品にとどまらず大きなストーリーを語る理由
ミッションステートメントが単なる「企業の壁紙」と化してしまうのを誰もが1度は目にしたことがあるだろう。それらはウェブサイトの奥深くに埋もれていたり、ロビーの目立たない一角に掲げられていたりする。存在はしているが、それを知るべき人々には見えていない。
不変の目標は異なる役割を果たす。その名が示す通り、製品の追求から人材採用に至るまであらゆる決定の指針となる。従業員や顧客、投資家は今日の決定が揺るぎない目的と整合しているという確信を求めているため、不変の目標を繰り返し語るリーダーたちは信頼を築く。
アップルの目的、つまり「暮らしを豊かにする」という不変の目標は特許訴訟や売上の伸び悩み、規制当局との法廷闘争、サプライチェーンの問題、そして経済・市場の大きな変化を乗り越えてきた。
クックはアップルの次世代のリーダーたちにも引き続き不変の目標を意思決定の指針としてほしいと考えている。次期CEOのジョン・ターナスにどのようなアドバイスをするか尋ねられた際、クックはこう答えた。
「組織の不変の目標を常に心に留めておくことだ。当社は人々の暮らしを真に豊かにする世界で最も良い製品を作ることに全力を注いでいる。そのフォーカスを維持し、それを基に決定を行えばビジネスはうまくいく」。
すべてのリーダーにとっての教訓は、ミッションステートメントの作成に費やす時間を減らし、一貫したストーリーを伝えることにもっと時間を割くべき、ということだ。最も説得力のあるストーリーとは1度だけ語られるものではない。あなたがその場にいなくても人々の記憶に残り続けるようなストーリーのことだ。


