ロシアの軍事ブロガーが6月12日に共有した動画には、小型FPV(一人称視点)ドローン(無人機)数十機の連続攻撃でウクライナの道路橋が崩落にいたる様子がまとめられている。このような大きな構造物に損傷を与えるには個々のドローンは非力すぎるが、攻撃を重ねることで中心部の橋脚5本すべてが徐々に削られていき、最終的に橋は崩れ落ちる。
こうした戦果が確認されたのは初めてで、注目に値する。理論上、このような攻撃が成功し得ることは明らかだったように思えるが、この動画は実際にそれがうまくいくことを示す確かな証拠になった。FPVドローンは遠距離からの攻撃で橋も落とせるのだ。この種の作戦では一般に、精密に誘導される空爆や、ATACMS戦術弾道ミサイルのような大型で高価なミサイルが必要になる。
43 FPVs for a bridge pic.twitter.com/1JR6tnxwrp
— Vitaly (@M0nstas) June 12, 2026
橋梁破壊の基礎
橋は地形的にボトルネック(隘路)なるため、軍事目標にされやすい。とはいえ橋は頑丈に造られており、大半の兵器はあまり効果がない。爆風や破片効果は人員や防護の薄い車両には致命的なものになっても、石やコンクリートに対してはせいぜい表面に傷を付けることぐらいしかできない。橋を破壊するには大量の爆薬の直撃が必要になる。通常、1回の直撃で約110kg以上の爆薬が必要とされ、重砲ですら不十分なことが多い。
第二次世界大戦中、米軍は道路橋や鉄道橋に対する爆撃に関して広範な研究を行った。その結果、橋1本を破壊するには中型爆撃機が平均190ソーティ(延べ出撃回数)をこなし、合計で約320t(350米トン)にのぼる爆弾を投下する必要があることが判明した。当時使用されたのは、約225kgの爆弾と約450kgの爆弾の組み合わせだった。
爆撃の精度が高まれば、要する爆弾数が大幅に減ることもわかった。報告書には次のように記されている。「爆撃精度を訓練学校で達成される水準近くまで向上させることができれば(中略)、必要な出撃回数を190ソーティから33ソーティに減らせるという点は特筆に値する」
こんにち、米空軍は橋を落とすのに約900kgの精密誘導爆弾を使用する。これは必要な爆薬量を備え、命中精度も十分高く、1発か2発で済む。



