米国時間6月24日、金と銀の価格が7カ月ぶりの安値まで下落した。ドル高やFRBの利上げ観測を背景に、金の先物価格は昨年11月以来で初めて4000ドルの大台を割り込んでいる。
米東部時間24日午前9時15分の時点で、金価格は約4%安の3988.60ドルを付け、昨年11月以来の安値を記録した。
銀価格も同時点で約6%安の58.44ドルと下落した。しかし、早朝に付けた安値の58.09ドルからはわずかに持ち直している。
過去1週間で銀は約16%、金は約8%値下がりした。
イラン紛争の期間を通じて貴金属価格が下落していることや、FRBが今年後半に利上げを行うとの見方が強まっていることから、銀価格は1月に記録した史上最高値の121ドルの半分以下にまで落ち込んでいる。
サクソバンクのコモディティ戦略責任者であるオーレ・ハンセンは、24日朝のXへの投稿で、「ハイテク株主導で株安が広がる中、(貴金属価格は)ドル高の圧力を受けている」と指摘した。
米ドル指数は24日朝、0.36%高の101.77と1年以上ぶりの高水準を記録した。また、半導体大手マイクロンの決算発表を前にした「不安」を背景に、今週はハイテク株全体に売りが広がった。
金銀価格の動向と利上げ観測
数カ月間に及ぶ歴史的な価格高騰を経て、金と銀は1月下旬に史上最高値を更新した。ピーク時の価格は金が約5600ドル、銀は約121ドルだった。この上昇は、米国の利下げやトランプ政権の関税政策、地政学的な緊張の高まり、ハイテク産業からの貴金属需要の増加などが原動力となった。しかし、1月下旬にケビン・ウォーシュがFRBの新議長に指名された直後に価格は急落した。ウォーシュは他の候補者と比べて利下げに慎重だと目されていたためだ(通常、利下げは貴金属価格の押し上げ要因となる)。
先週、FRBはウォーシュ新体制下で初となる政策決定会合で金利の据え置きを決め、イラン紛争を念頭に、経済は「不確実性が高まっているものの、堅調なペースで拡大している」と述べた。ただ、委員会を構成する18人の理事のうち9人が今年中に少なくとも1回の利上げを支持している。
今年後半に利上げが実施されれば、金と銀の価格は一段と下落する可能性が高い。BNPパリバ・フォルティスのフィリップ・ジセルスはCNBCに対し、「我々の世界において、金利は重力のようなものだ。金利が上がれば重力が増し、貴金属を含むすべての資産が押し下げられる」と語った。また、ドイツのコメルツバンクのアナリストも6月初頭、利上げ観測が根強く残る限り、金の価格は低迷を続ける可能性が高いとの見方を示している。
イラン紛争の影響
金と銀の価格はイラン紛争の期間を通じておおむね下落傾向にあり、これらの「安全資産」は国際情勢の不確実性の高まりに伴って値上がりするという定説を覆している。ANZのリサーチアナリストは23日付けの書簡の中で、金価格はイラン紛争が勃発して以来22%以上下落していると指摘し、安全資産として知られるこれらの貴金属は、「今週市場全体に広がった売りに対する防衛手段にはならなかった」と述べた。



