ホルムズ海峡の再開は経済をさらに「過熱」させ、潜在的なインフレ高進やFRBによる利上げを招く可能性がある。アポロのチーフエコノミストが米国時間6月24日に警告した。5月には、エネルギーコストの急騰を背景に消費者物価が3年ぶりの高水準を記録していた。
アポロのチーフエコノミストを務めるトルステン・スロックは「市場のストーリーが変わりつつある」と指摘した。かつてはインフレ抑制に寄与するとみられていた原油価格の下落が、かえって「すでに過熱している経済」の需要を刺激し、インフレを低下させるどころか押し上げる可能性があるとした。
こうした見方の変化を後押しする要因として、消費者物価指数(CPI)データや5月の「強い」雇用統計、そしてFRBの「タカ派的な」姿勢を挙げた。4月のCPIは前年比3.8%の上昇となり、続く5月には2023年4月以来の高水準となる4.2%上昇を記録した。さらに、5月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が17万2000人増加している。
スロックは「ホルムズ海峡の再開が経済を一段と過熱させ、FRBに早期の利上げを強いる」と主張した。
国際原油指標の北海ブレント先物は24日朝の時点で4.3%下落して74ドルを割り込み、イラン紛争前の水準まで落ち込んだ。
トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿で、原油価格の下落にもかかわらずガソリン価格を下げない石油会社を調査するよう司法省に指示したと述べた。「大手の石油会社は、彼らが買い付ける原油価格の急落に見合った値下げを行っていない」とし、「(顧客は)暴利を貪られている」と付け加えた。
国際海事機関(IMO)のアルセニオ・ドミンゲス事務局長によると、ホルムズ海峡の安全確保の見通しが立ったことで、足止めされていた1万1000人以上の船員がこの海峡を離れる予定だ。
米国とイランは先日、世界の石油の20%が通過するホルムズ海峡の再開に向けた合意に達した。中東での紛争拡大によって同海峡が封鎖されたことで、世界の原油やガソリンの価格が高騰し、米国内のインフレを急激に押し上げていた。
労働統計局(BLS)が6月初頭に発表したデータによると、ガソリンや燃料油などの価格動向を反映するエネルギー価格指数は5月の物価上昇全体の60%以上を占めた。特にガソリン価格は前年比で59%近く急騰し、調査対象の中で最大の伸びを記録している。
また、FRBは直近の政策決定会合で、現在のインフレ率は目標値の2%と比べて「依然として高水準にある」と指摘した。FRBの理事らは以前からインフレ沈静化には予想以上の時間を要する可能性に言及しており、彼らの大半は、インフレの高止まりが続けば利上げが必要になり得ると主張していた。



