長年にわたる経済の不確実性や人員削減、組織再編、分散型ワーク、そして世代間の摩擦は大きな負担となってきた。その大半は対処はおろか、認識すらされていない。
それにもかかわらず「チーム合宿」が注目を集めている。リーダーたちはチーム合宿を計画し、予算を組み、わずか数日間で達成できる成果に大きな期待を寄せている。
米調査会社ギャラップの職場に関するレポート「State of the Global Workplace 2026」によると、世界の従業員エンゲージメントは2年連続で低下し、2020年以来の最低水準となった。ギャラップによる調査で2年連続の低下を記録したのは初めてであり、2025年には低いエンゲージメントによる世界経済の生産性損失は世界のGDPの9%にあたる約10兆ドル(約1610兆円。1ドル=161円換算)にのぼった。
よく設計されたチーム合宿だけでこの傾向を逆転させることはできないが、四半期ごとの全社会議ではできないことを実現できる。それは、チームが自分たち自身や仕事とのつながりを取り戻せるような環境を整えられるということだ。問題はそのために何をすべきかという点にある。
計画する前に答えるべき質問
会場を決めたりアジェンダを作成したり、また場を和ませるための雑談の時間を設けるべきかどうかを議論する前にまず考えるべきことがある。このチーム合宿で達成すべき最も重要なことは何かということだ。
大半のリーダーはあれもこれもと欲張ってしまい、結局どれも達成できない。有効な手法は目的に優先順位をつけ、その中で最も重要なものを中心にチーム合宿を設計することだ。それを明確にするために、次の文章を完成させてみよう。「このチーム合宿が終わる頃には、私のチームは○○しているだろう」。複数の成果を挙げたくなる衝動に抵抗することだ。最も一般的な答えは、たいてい次の3つのカテゴリーに分類される。
1. つながりの再構築:ただ願うだけではなく意図的に設計する
分散型チームや人員削減後のチーム、最近再編されたチームなど、チームメンバー間のつながりの欠如がここ数年大きな問題になっている。マイクロソフトの「Work Trend Index Annual Report」2022年版によると、ハイブリッド勤務の従業員の59%が、リモート勤務やハイブリッド勤務になる前より職場での交流が減ったと回答している。
こうした溝を埋めるため、ロープコースや料理教室といったチームビルディングで典型的な体験型アクティビティを用意しても、その場の高揚が冷めて日常に戻れば、距離が縮まった感覚は長続きしない。その溝を埋められるのは体系的な情報共有や少人数での会話、心理的安全性の意図的な醸成だ。過去1年間をどのように感じていたか、率直な思いを共有するよう促すセッションを少なくとも1回は設けたい。真のつながりはそこから始まる。そして、これを読んで「皆が正直に話してくれるだろうか」と真っ先に思ったのなら、そのこと自体が何かを物語っている。



