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経済

2026.06.30 15:15

連続赤字部門を2桁成長へ、営業経験ゼロのコカ・コーラBJH副社長が仕掛けた「異色の組織再生劇」

コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス 代表取締役副社長 荷堂真紀

144億の赤字を覆した、「稼ぐ力」の再構築

荷堂が牽引してきた数々の改革が影響し、コカ・コーラBJHの本業の儲けを示す事業利益は回復を見せている。22年12月期には144億円のマイナスだったが、25年12月期には245億のプラスに転じた。3年間で、389億の事業利益の改善を果たしたことになる。荷堂は「利益率を上げる」ことにフォーカスする理由を、次のように語る。

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「会社として存続し続けられる『体力』が必要だからです。短期で利益を絞り取るようなやり方もありますが、私たちは100年後も、安全で美味しい飲み物を消費者のそばに届け続けたい。サステナビリティや社員のウェルビーイング、地域社会への貢献を実現するには、まず『稼ぐ力』をつける必要がある。理想を語るには、それを実行する資本が不可欠です」(荷堂)

業績好調を背景に、25年8月には新中期経営計画「Vision 2030」を発表。従来の目標を上方修正し、30年までに「売上収益1兆円以上」「事業利益800億円以上」という攻めの数字を掲げる。

「Vision 2030を提案したとき、身が引き締まるほどの強い緊張を覚えました。でも、成長を確信させる要素が積み上がってきているので、決してできない目標ではないと思います」(荷堂)

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誰も置き去りにしない「両輪のDE&I」

ビジネスで徹底した合理性を貫く一方、プライベートでは2男3女、計5人の子を育て上げた母でもある。海外出張も多く、多忙を極める中でも「仕事を辞めようと思ったことは一度もない」という。

その実体験があるからこそ、荷堂が推進する多様性を生かす取り組み(DE&I)は一味違う。「休む人を手厚く保護するだけでは不十分で、その業務を請け負ってくれる側の両輪をサポートしないと、社員は会社を信じられなくなる」と語る。

その思いを形にしたのが、「応援団感謝アワード」だ。産休・育休や介護休暇を取得する社員の業務をカバーしたチーム全員に、ひとり1万円の食事券を支給するというもの。「顧客のレストランに、家族で行ってきてほしい」という意図もある。これにより、休む側は気兼ねなく休めて、カバーした側は報われ、さらに取引先への売上貢献にもつながる。

自身の性格を欲張りだと言い、笑う荷堂。過去の慣習に縛られないエネルギッシュな異端児は、これから巨大ボトラーの未来をどう塗り替えていくのか。

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荷堂真紀◎かどう まき 広島県生まれ。1992年香川大学を卒業後、NEC入社。海外キャラクターの版権を扱う企業、外資系IT企業勤務などを経て、2014年にコカ・コーラ イーストジャパン入社。17年コカ・コーラ ボトラーズジャパンの執行役員 調達統括部長。その後、グループ内の要職を経て、現在はコカ・コーラ ボトラーズジャパン 代表取締役副社長 フードサービスカンパニー プレジデント 最高経営戦略責任者 兼 経営戦略本部長、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス 代表取締役副社長 役員室長 兼 社長補佐

文 =堤美佳子 編集=大柏真佑実 撮影=西川節子

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