以下のいずれか、あるいはすべての方法でAIを活用すれば、仕事の時間を節約でき、むしろやりたい活動に時間を回せるようになり、しかも「正しいことを正しいやり方で行った」という充実感を得られる。
1. 複雑なオンライン文書に取り組む
政府、法律、医療、税務、保険、人事、助成金、コンプライアンス関連のフォームは、誤解しやすい。たとえば、米国特許商標庁(USPTO)の更新フォームを自力で記入しようとしたことはあるだろうか。健闘を祈る。突破するには博士号が必要だと言いたいところだが、私は博士号を持っていても、作業をやり遂げるのはほぼ不可能に近かった。フォーム自体がインターネット黎明期の遺物のように見えたことも、助けにはならなかった。
だが最近、ChatGPTが複雑な質問をすべて一緒に整理してくれ、文書を無事に完成させることができた。自力で取り組んでいたら、この記事を書いて読者の問題解決を手伝う代わりに、いまも作業に追われていたことだろう。
2. 怒りのメールやテキストを送る前に立ち止まる
誰かに腹が立つと、攻撃的なメッセージ(nastygram)を勢いで書いてしまうのは簡単だ。だが、その後に生じる損害を修復するのははるかに難しい。「送信」を押す前に、好みのAIプラットフォームに敵意むき出しの文面を見せてみてはどうだろうか。私の場合、これをすると最悪の衝動から救われる。
不愉快な同僚や行き違いのある顧客を、文章で罵らないようにとPerplexityに言われる必要があるだろうか。ない。自力で自制できる意志の強さがあるなら、それに越したことはない。あるいは、そもそもそんな衝動がないのかもしれない。それは見事だ! だが、メールやテキストで憂さ晴らしをせずにはいられないのなら、まずAIに吐き出してみることだ。AIは、あなたがすでに分かっていることを確認してくれる。送っても、あなたを含めて誰も得をしない。
3. 公正にフィードバックを伝える
この指針は、感情面でも倫理面でも前の項目に隣接しているが、独立したカテゴリーとして扱う価値がある。仕事でも私生活でも、いつ誰かにフィードバック(かつては批判と呼ばれていた)を求められるのか。2つの状況がある。a)相手が、してはいけないことをした場合。b)相手が、すべきことをしなかった場合だ。いずれにせよ、落胆したり腹を立てたりするのは人間として自然である。だが、その感情が強く、反応を左右するなら、誰の得にもならないことを書いたり言ったりしてしまいがちだ。それは単に無礼なだけではない。不公正であり、したがって非倫理的でもある。
ここでAIの出番となる。たとえば私は最近、合理的な依頼をいくつも送ったのに返事をくれない相手に向けたメッセージを下書きした。私は強い苛立ちを抱えており、初稿はそれを反映していた。送っていたら、状況は悪化していただろう。そこでChatGPTに見せたところ、関係を傷つけずに要点を伝える別の言い方をいくつか提案してくれた。私はその提案の1つを踏まえて自分の文面を書き直し、後ろめたさなく送信した。返事はいまだに来ていないが、少なくとも橋を焼き落とすようなことはしていない。
警告:AIを倫理的に使うには警戒が必要だ
AIの出力には誤情報が大量に含まれ得る(ハルシネーション、あるいはslopとも呼ばれる)というのは決まり文句のようなものだ。このリスクを減らす、あるいは取り除く最善策もまた決まり文句で、すなわち「人間を介在させる(human in the loop)」ことに尽きる。複雑なオンラインフォームを完成させる際には、AIプラットフォームが誤った方向へ導かないよう、常に警戒しなければならない。
私がAIを使って連邦商標登録の更新を進めたとき、AIはいくつもの誤りを犯した。たとえば、私のウェブサイトのホーム画面のスクリーンショットが、商標の使用見本(specimen of use)として完璧だとAIは言った。しかし実際はそうではなかった。USPTOは、そのスクリーンショットが商標と私が提供するサービスとの直接的なつながりを示していないとして、使用見本を却下した。
この却下を受けた後、私のChatGPTへの返答は遠回しではなかった。「あなたは私のウェブサイトが商標使用の完璧な例になると言った。違う」。
その後、私は作業を完了するためにさらに時間を費やさねばならず、そのうえChatGPTは、どうにも適切には見えない提案を続けた。私はそれらの提案に疑問を呈し、返ってくる答えはいつも「あなたの指摘は正しい」だった。この追加作業が必要だったとはいえ、それでも私は相当な時間と労力を節約できた。もし各段階で警戒を怠っていたら、欠陥のある更新申請をさらに提出していたかもしれない。
これは倫理と何の関係があるのか
本稿のテーマは、タイトルにもあるとおり、人工知能の倫理的な使用である。では、私が示した3つの指針は、倫理的意思決定とどう整合するのか。
それは、私が「倫理的知性の5原則」と呼ぶものを守るからである。
- 危害を加えない/危害を防ぐ
- 物事をより良くする
- 他者を尊重する(すなわち、真実を語る、約束を守る、秘密を守る)
- 公正である
- 思いやりを持つ
複雑なオンラインフォームを、各段階を監視せずにAIに記入させれば、これら5つの原則それぞれに反する危険がある。怒りのメールやテキストを、PCやスマホの中に留めておくべきだったのに送ってしまう場合も同じ危険が待っている。最後に、部下がミスをしたときにフィードバックを与える場面でも、理性ではなく感情に反応を委ねれば、各原則が危うくなる。
倫理的知性の原則の出典
これらの原則はどこから来たのか。私たちは成長の過程で、親や教師からその変形版を教わってきた。礼拝の場に通う人なら、そこでこれらの原則について確実に耳にするだろう。また私は、トム・L・ボーチャンプとジェームズ・F・チルドレスによる名著Principles of Biomedical Ethics第9版(New York: Oxford University Press, 2026)を基に、その射程を調整し拡張した。私は大学院生としてジョージタウン大学およびケネディ倫理研究所で、故ボーチャンプ博士の指導を受けるという光栄と特権を得た。
まとめ:AIの倫理的な使用
AIを倫理的に使う方法は3つある。
1. 複雑なオンラインフォームに取り組む
2. 怒りのメールやテキストを送る前に立ち止まる
3. 公正にフィードバックを伝える
いずれも、倫理的知性の原則にかなった活用法である。



