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マーケティング

2026.06.24 14:43

崩れゆくポイント経済──旅行ロイヤルティ再構築の条件

stock.adobe.com

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旅行ロイヤルティは明確な約束の上に築かれてきた。ブランドで支出し、報酬を獲得し、その見返りとして価値を受け取る。長年にわたり、その取引は成立していた。ポイントは旅行者に進捗感を与え、ステータスは愛着を生み、特典交換はロイヤルティを価値あるものに感じさせた。

しかし今、そのモデルは崩れつつある。特に主要なロイヤルティプログラムが複雑化し、細かな規約、ダイナミックプライシング、頻繁に変わるルールが幾重にも重なるようになったことで、その傾向は強い。消費者は依然として参加しているが、期待は根本的に変化した。より理解しやすく、使いやすく、そして知らぬ間に価値を切り下げられにくい報酬を求めている。旅行ブランドにとっての課題は、ロイヤルティがなお信頼に値することを証明することだ。

筆者の会社であるProsper Insights & Analyticsの最近の調査によれば、米国成人の52.9%が顧客ロイヤルティプログラムに参加している。参加率が最も高いのはベビーブーマー世代の60.4%で、次いでX世代が53.1%、ミレニアル世代が49.3%、Z世代が46.3%となった。この世代間での低下は、明確で差し迫った問題を示している。全体の参加率が堅調である一方、若年層の旅行者は従来型モデルから距離を置き始めている。

消費者は余力も限られている。ロイヤルティ会員は平均3.3のプログラムに参加しており、19.0%が5つを超えるプログラムに登録している。X世代に限ると、その比率は24.4%に上昇する。問題はアクセスではない。優先順位付けである。ロイヤルティプログラムは注意を奪い合っており、多くがその競争に敗れている。

価値切り下げのギャップと消費者の信頼

この信頼の侵食の中心にあるのは、報酬価値の「認識」と「実態」の間に広がるギャップだ。旅行ブランドは特典交換の必要ポイント、空き状況、プログラム規約を常に調整している。例えばWorld of Hyattは、5月20日から特典必要ポイントの変更を実施する。カテゴリー内の価格帯を増やし、136施設の特典カテゴリーを変更することで、多くの宿泊が一夜にしてより多くのポイントを必要とするようになった。こうした変更は短期的には利益率を守るかもしれないが、時間の経過とともに不確実性を生む。

ここで信頼は崩れる。意味のある報酬に向けて積み上げるのではなく、消費者は短期志向の行動へと移る。具体的には、価値の低いアイテムへの交換、関与の低下、将来の価値切り下げに備えて複数プログラムにロイヤルティを分散させる、といった行動だ。

筆者はBookIt.comの共同創業者リン・ダイに、なぜこの力学がブランドにとって反転させにくいのかを尋ねた。「ロイヤルティは、頼れると感じられるときにしか機能しない」と彼は言う。「報酬が、何の歯止めもなくブランド側によって切り下げられ得ると消費者が感じた瞬間、信頼は崩壊する。そしてその信頼が失われたら、ボーナスポイントのキャンペーンで買い戻すことはできない」

プログラム複雑化がもたらす財務負担

消費者の不満が高まる一方、ブランド側は別の静かな危機に直面している。ロイヤルティプログラムは運用面で扱いづらい存在となり、その財務上の帰結はほとんど公に語られていない。

特典交換のルールは当初、「ブレイケージ(失効・未使用)モデル」を前提に構築されており、それは機能していた。報酬に一定の制約を設け、一定割合が気づかれないまま未使用となるようにする。しかし競争が激化するにつれ、とりわけ航空会社のマイルでは、多くの主要プログラムが「ポイントは失効しない」を目玉の特典として掲げるようになった(例:デルタ スカイマイル、ユナイテッド マイレージプラスなど)。報酬が保持しやすくなると、未使用ポイントが積み上がり、貸借対照表上で長期にわたる巨額の負債として蓄積する。これらは時間の経過とともに予測や管理が難しくなる。

この課題の規模は相当なものだ。ロイヤルティ会員の約25%が3つを超えるプログラムに登録しており、複雑性は競争上の不利に直結する。特典交換が分かりやすくなければ、消費者はただ離れていく。

2025年のKPMGによる分析は、ブレイケージの前提が財務報告と収益性を直接左右することを指摘している。交換行動の小さな変化がプログラムの経済性を大きく変え得るため、真のエンゲージメントを促すことと負債を抑制することの間に、持続的な緊張関係が生まれる。

ダイは、これを業界の運用に対する考え方が転換する局面だと捉えている。「これは消費者体験の問題にすぎないと思われがちだ」と彼は筆者に語った。「しかし複雑性こそが実質的な税金である。会員がポイントの価値を予測できなければ、信頼は急速に損なわれる。目指すべきはシンプルなルールと、消費者が頼れる価値の保証である。さらに、幅広い加盟店ネットワークやパートナー在庫を活用し、現実世界での実用性をマージンを確保しながら提供できるような、現代的な特典交換の仕組みと組み合わせるべきだ」

安定した価値と実用性への転換

より根深い問題は、価値の不安定さである。従来のポイント制度は購買力との明確な関係をほとんど確立しておらず、消費者は変動する交換レートや減少する空き状況を相手に価値を計算せざるを得ない。その計算が消費者に有利になることはなく、彼ら自身もそれを分かっている。

よりシンプルなモデルへの需要が高まっている。報酬が予測可能な価値を保ち、柔軟に使えるモデルだ。消費者が複数のプログラムを主体的に管理する環境では、明確さは「あれば望ましい」ものではない。それが決定的な要因なのだ。理解に手間がかからないプログラムほど、エンゲージメントを維持しやすい。

マッキンゼーは、シンプルさと透明性がロイヤルティ満足度の主要因であると示している。消費者が自分が何を獲得しているのかを理解できると、より深く関与し、エコシステム内でより一貫して支出する。

ダイにとって目標は明快だ。「報酬はお金のように機能すべきだ」と彼は言う。「自分が何を持っているかが分かり、その価値が分かり、そして自分にとって意味のある場所で使える。今のロイヤルティプログラムの多くは、その3つすべての試験に落第している」

次世代の旅行者に向けたロイヤルティの将来対応

若年層の旅行者の期待が、この見直しを加速させている。Z世代とミレニアル世代は、価値が可視化され、持ち運び可能で、管理しやすいデジタルシステムに習熟している。

示唆されるのは、新しい仕組みは拡大する前に信頼を獲得しなければならないということだ。ロイヤルティにおいては、透明性、使いやすさ、そして報酬に対する実質的なコントロールに焦点を当てることを意味する。

若年層の消費者は、自分が何を保有しているかを確認でき、それがどれほどの価値かを理解し、摩擦なく使用できることを期待している。譲渡可能性を制限し、価値を見えにくくし、条件変更の権利を保持する従来型のロイヤルティ構造は、そうした期待と構造的に噛み合っていない。

ブロックチェーンに基づくモデルは、報酬を明確に所有される、持ち運び可能なデジタル資産へと変換することで、このギャップを埋める手段を提供する。追跡が容易で、気づかれないまま希薄化されにくく、移転も簡単になる。同様に重要なのが相互運用性だ。報酬は異なる「通貨」やプログラムの間を流れることができる。このモデルでは、ロイヤルティは実用性を備えた、消費者がコントロールする資産へと変わる。

ダイは、ロイヤルティの次の段階は、ブランドがその期待に応える意思を持つかどうかにかかっていると論じてきた。報酬を、恣意的に改訂され得る残高ではなく、人々が確実に保有し、交換し、ブランドのより広いパートナーやエコシステムを横断して使えるものとして扱うことは、顧客と発行者の関係を変える。それは機能の追加ではない。信頼の土台である。

消費者ロイヤルティが消えるわけではないが、その定義は根本から書き換えられている。米国成人の半数超は今もロイヤルティプログラムに参加している。問われているのは、そうしたプログラムが、彼らにとどまる理由を与えられるかどうかだ。

成功するのは、不確実性を減らし、特典交換を簡素化し、安定した価値を提供するプログラムである。それは、断片的な特典を超え、理解しやすく、使いやすく、顧客ジャーニー全体でより一貫して感じられるバンドル型の報酬を構築することを意味する。消費者が求めているのは報酬の増量ではない。本当に頼れる報酬である。

ダイは、ブランドが実際に何を求められているのかを慎重に考えてきた。「報酬は会計台帳の問題として扱うべきではない」と彼は筆者に語った。「それは関係性における約束である。本当の問いは、顧客が実際に信頼し、所有し、利用できる価値をブランドが提供する意思があるかどうかだ」

forbes.com 原文

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