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リーダーシップ

2026.06.24 11:30

AIで仕事は加速する、だが人は持続できるか──リーダーが問うべき5つの質問

stock.adobe.com

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AIをめぐる議論の多くは効率性に焦点を当てる。人はどれだけ速く働けるのか。どれほどのタスクを自動化できるのか。AIはどれだけの生産性を引き出せるのか。しかし、こうした問いの中には増大するリスクが潜んでいる。テクノロジーが仕事を加速させると、意思決定、情報の流れ、クライアントの期待、そして従業員に課される認知的負荷も同時に加速するからだ。私は、業界をまたいでチームと仕事をする中でこの点を実感してきた。多くの人が、変化の不確実性とスピードに疲弊していると訴える。効率性だけに焦点を当てても十分ではないことも分かってきた。AI統合で成果を出すリーダーは、別の問いを立てる者である。テクノロジーだけでなく、それと共に人が成長し活躍するために必要な条件に目を向ける問いだ。

AIと持続可能なパフォーマンス──研究が明らかにしていること

AIは仕事の進め方を変えるだけではない。人間が高いパフォーマンスを発揮するために「何をすべきか」も変える。AIが重要な効率化を生む一方で、リーダーはAI利用が認知能力、ケア、つながりにどのような課題をもたらしうるかも認識しておく必要がある。最近発表された研究では「AIブレイン・フライ」という概念が提唱された。これは、あまりにも多くのAIツールを同時に管理することによる認知的疲弊状態を指す。研究者たちは、3つ以上のAIツールを同時に日常的に管理しているプロフェッショナルほど認知的過負荷に陥りやすいことを明らかにした。

別の研究では、最も生産性が高いAIユーザーは、燃え尽きやエンゲージメント低下に陥る可能性が88%高く、離職する可能性も2倍であることが示された。同じ研究によれば、労働者の90%はAIを同僚と見なし、67%は同僚よりもAIを信頼し、64%は人間のチームメイトよりAIとの関係の方が良いと答え、54%はAIの方が共感的だと述べている。

また別の研究者たちは、あるテック企業で8カ月間にわたりAIツールが仕事の習慣をどう変えたかを調査した。この企業はAI利用を義務付けていなかったが、従業員はより速いペースで働き、労働時間が長くなり、担当タスクの範囲も広がっていた。一見すると成果のように見えたが、研究者は同時に、スコープクリープ(業務範囲の際限ない拡大)、ワークスロップ(プロジェクトを前進させず、修正ややり直しを強いられる同僚に余計な認知的・感情的負荷を与えるAI生成物)、より多くを生み出せという恒常的な圧力、回復時間と深い思考の喪失も発見した。

研究者たちは、こうした過重労働が時間の経過とともに判断力を損ない、ミスの確率を高め、真の生産性と持続不可能な過剰労働をリーダーが見分けにくくすると指摘している。必要なのは明確なAIプラクティス、つまりAIの使用方法に構造を与える明確な規範とルーティンである。

AIと業務負荷の持続可能性:リーダーが問うべき5つの質問

仕事のパフォーマンスと持続可能性の懸念は、テクノロジーの統合やガバナンスと併せて取り上げる必要がある。AI利用が増えるなか、リーダーと多忙なプロフェッショナルは、次の5つの質問を常に意識しておくべきだ。

  1. AIが促すワークフローの変化は、業務負荷の持続可能性、認知的キャパシティ、燃え尽きリスクにどう影響するか。
  2. 人間とAIが混在するチームにおける心理的安全性には、どのような含意があるか。
  3. 自動化が進む中で、ウェルビーイングとつながりを守るために、リーダーは役割をどう再設計できるか。
  4. AIを多用する環境で過負荷を防ぐために、チームのコミュニケーション規範はどうあるべきか。
  5. 役割はどのように再設計、または再明確化する必要があるか。

以下は、AIによって生じうる仕事の持続可能性リスクの要約である。

認知的過負荷 - 絶え間ない新ツールとアップデート

業務量の増加 - レビュー・修正タスクと期待の増大

雇用不安 - 自動化による代替への恐怖

役割の曖昧さ - 不明確なパフォーマンス基準

ワークライフの境界の曖昧化 - 常時オンのツールとアラート

社会的孤立 - 人間同士の交流の減少

スキルへの圧力 - サポートなきスキルアップ要求

生産性への期待 - より高いアウトプットへの期待

実際、最近発表されたメタ分析では、60年分の役割ストレッサー研究(515件の研究と約80万人を対象)をレビューし、職場での著しい消耗をもたらすストレッサーは次の3つであることが示された。

  1. 役割の曖昧さ──自分が何をすべきか分からない。
  2. 役割葛藤──役割への期待が矛盾する、または実際の業務と一致しない。
  3. 役割過負荷──やることが多すぎ、時間が足りない。

3つはいずれも個人と組織の成果に悪影響を及ぼすが、研究者は役割の曖昧さが最も有害な要因になりがちだとした。有効なのは、チームが明確な目的、明確な意思決定権限を持ち、業務量の規模について一定の自律性を持つことである。

職場システムにレジリエンスを組み込むためのアイデア

以下は、リーダーと多忙なプロフェッショナルが職場システムに持続可能性とレジリエンスを組み込むための追加のアイデアである。

  • ワークフローに回復時間を組み込む。タスクやプロジェクトから次へと移行するのが一般的だが、次のスプリントの前に回復時間をスケジュールすること。
  • 役割と責任をクロストレーニングする。私は大手法律事務所のパートナーにインタビューしたことがあるが、クライアントが自分のチームを知っていることが実務の成功にいかに重要かを語ってくれた。リーダーとして、社内外のクライアントはまず自分に連絡したり、自分を頼りにしたりするかもしれないが、クライアントはチームの他のメンバーにも安心感を持つ必要があるという。それはクライアントにとって別の接点となり、チームメンバーがクライアントと交流する貴重な経験を積む機会を生み出す(これは判断力の発達への道筋でもあり、若手ナレッジワーカーは今後数カ月から数年でより意図的に伸ばす必要があるものだ)。
  • 反応的であるだけでなく、予防的なリーダーやプロフェッショナルを評価する。問題を早期に発見し、リスクを静かに管理し、破綻が起きないようワークフローを改善しているのは誰か。
  • 適切な場合には、意思決定の裁量をプロフェッショナルに持たせる。従業員のエンパワーメントはレジリエンスのツールである。
  • 小さなバッファを守る。締め切りに少し余裕を持たせ、予算にも少し上乗せしておく。回復を前提に設計すれば、計画通りにいかなかった場合でも過度に反応的にならずに済む。

AIをめぐる会話は、実験から実行へと移った。リーダーが競争優位を求めるなか、スピード、効率、アウトプットのみに焦点を当てたくなるのは自然なことだ。しかし、持続可能なパフォーマンスは事業上の必須事項として扱うべきであり、後回しにしたり、人が「何とかする」ものとして放置したりすべきではない。AIから最大のリターンを得る組織は、テクノロジーと同じだけ意図的に人間の能力へ投資する組織である。仕事の未来は、人とテクノロジーが共に最高のパフォーマンスを発揮できる条件をつくる術を知るリーダーによって形づくられていく。

forbes.com 原文

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