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キャリア

2026.06.24 11:15

看護師から経営幹部へ──現場で培った直感がリーダーシップを変える

stock.adobe.com

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私は、戦略やオペレーション、組織文化について考えるつもりでキャリアを始めたわけではない。私が考えていたのは人であり、もっと具体的には、最も無防備な瞬間に目の前にいるその人と、その日に私から何を必要としているのかだった。

約10年にわたるベッドサイドでの看護は、人をそういう感覚にしてくれる。どんなリーダーシップ研修でも完全には再現できない形で、自分の軸を整えてくれるのだ。ベッドサイドでは、自分の判断がもたらす影響との間に緩衝材がない。結果はすぐに目に見える。部屋の空気として感じ取れる。そして、その場を離れた後も長く心に残る。

私が経営層のリーダーシップへ移り、まず管理職、次にディレクター職を経て、やがて臨床オペレーション担当VPになったときも、その年月を手放さずにいた。それは外せないレンズのようなものだった。そのレンズが見せてくれたものが、以降のあらゆるリーダーとしての意思決定を形づくってきた。

「そこにいる」ことはリーダーのスキルだ。だが多くのリーダーは、それを磨くのをやめてしまった

ベッドサイドで最も重要な情報は、カルテに書かれているとは限らない。誰かが答える前の「間」に、言葉にならない部分に、家族が椅子に座らずドアの近くに立ったままにしている、その立ち方に宿る。報告された内容だけではなく、目の前にあるものを読み取ることを学ぶのだ。

この規律はリーダーシップにそのまま通じるが、多くの経営層はそれを衰えさせてしまった。私たちはスピードを優先し、ダッシュボードや又聞きの話に頼り、会話の場に入る前から言うことを決めている。そして、チームが「聞いてもらえていない」と感じるのはなぜか、明確に伝えたつもりなのに実行が崩れるのはなぜか、と不思議がる。

簡単なテストがある。次の1対1のミーティングで質問を1つだけして、相手が話し終わるまで一切口を挟まないでみてほしい。情報が隠されていたからではなく、自分がその場に「完全にいなかった」だけで、どれほど見落としていたかに驚くリーダーは少なくない。

「正しいこと」と「効果が出ること」は同じではない

看護師としてキャリアを始めた頃、私はケアプランに書かれている通りに、すべての手順を、すべてのプロトコルを、忠実に実行した。それでもうまくいかなかった。やり方は技術的に正しかったが、その患者に、その瞬間に合っていなかったのだ。そこで私は立ち止まり、再評価し、調整した。目的は同じ。道筋はまったく別。すべてが変わった。

リーダーシップも同じように機能することが多い。組織は実証済みのフレームワークに多額の投資をするが、それには確かな価値がある。だが、効果を出すにはフレームワークでは与えられないものが必要だ。つまり、定石が目的に資しているのか、それとも邪魔をしているのかを見極める判断力である。

プロセスが期待通りの結果を生まないとき、本能的に同じやり方をさらに強く押し進めがちだ。より有益なのは、チームに「実際に何が障害になっているのか」と尋ねることである。私の経験では、その答えはレポートが示していたものとはほとんど一致しない。そして、より良いプロセスだけでは解決できないことを指し示す場合がほとんどだ。

信頼は「一発」ではなく「積み重ね」で築かれる

目立つことをインパクトと混同し、大きな施策や劇的な立て直しを強いリーダーシップと同一視するタイプのリーダー像がある。

しかし、ある患者が言った言葉が、私はどうしても頭から離れない。私は彼女に、ケアで何が最も重要だったかを尋ねた。彼女は、アウトカムや対応の速さには触れなかった。彼女が望んだのは「一貫していること」だった。同じ人。同じやり方。同じフォロー。毎回。

チームも同じように動く。緊急案件が何もない、ごく普通の火曜日に、あなたが何をするかに頼っている。文化をつくるのは、強く踏み込む瞬間ではなく、どう姿を見せ続けるかのパターンである。

正直に自問してほしい。何も燃えていないとき、チームの人たちは私に何を期待すればいいのかを分かっているだろうか。答えが曖昧なら、取り組むべきはそこからだ。

距離は、多くのリーダーが「代償を払ってから」初めて気づくリスクである

経営層のリーダーへ移行して最も戸惑ったのは、現場から離れると視点がいかに早く変わってしまうかを知ったことだった。VPになってほどなく私は現場に戻ったが、最初の1時間で摩擦を感じた。私が目を通してきたどのレポートにも一度も現れなかった、現実の、日常の摩擦だ。遠目には対処可能に見えることが、実際に仕事をしている人たちにとっては本物の障壁になっていた。

この経験から、私には個人的な方針ができた。仕事の実態に近い場所に居続けること。実行が実際に起きている現場で時間を過ごすこと。意図や思惑を持ち込まずに耳を傾けること。理解できなくなったものは導けないし、日々の現実を感じなくなった人たちを支えることはできないからだ。

これは医療に限った話ではない。四半期に1回、評価を目的としない「構造のない時間」を1枠入れてみてほしい。仕事に近い場所にいるだけで、1年を通して確認する報告の多く以上のことが分かるかもしれない。

ここまで自分を導いてきたスキルは、卒業して捨てるものではない

現場からキャリアを積み、今リーダーへ移ろうとしているなら、これを伝えたい。仕事をしながら培った直感は、会議室では「不利」ではない。守り抜けば、むしろ強みになる。

場の空気を読む力。人が口にしないことを感じ取る直感。意味のあるインパクトは、必ずしも見えたり測れたりするものではないという理解。渡されたプロセスよりも目の前の相手を優先する姿勢。これらは人間的なスキルであり、あらゆるレベルのリーダーシップが今まで以上に必要としているものだ。

実務家からリーダーへの移行は現実的で、負荷も大きい。新しい能力を身につけることは必要だ。だが、ここまで自分を連れてきた能力を手放してはならない。長く続く信頼を得るリーダーは、たいてい「仕事をしていた頃の感覚」を忘れず、それをリードの仕方に反映させ続けている人たちだと私は気づいている。

forbes.com 原文

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