また新たな◯◯ハラが問題になっている。不機嫌であることを隠さず、周囲の人たちに気を遣わせたり萎縮させたりする不機嫌ハラスメント「フキハラ」だ。ちょっと幼稚な行為のように聞こえるが、職場でいい大人がフキハラをしては迷惑をかけている実態が調査によって明らかになった。
総合型クラウドソーシングサービス「クラウディア」の運営などを行うエムフロは、仕事をしている男女500人を対象にフキハラに関する実態調査を行った。それによると、職場にフキハラをする人間がいると答えた人は、じつに74.6パーセントにのぼった。7割を超える職場にいるということで、これは相当な数だ。

職場でのフキハラが及ぼす悪影響を尋ねると、トップ5は「雰囲気が悪くなる」、「コミュニケーションが減る」、「仕事の効率が下がる」、「不安感が大きくなる」、「本来業務以外で気を遣う」となった。単に雰囲気の問題だけでなく、業務に支障をきたしていることがわかる。

自由意見では、こんな声が聞かれた。
「みんながフキハラする人に気を遣い、空気が悪くなる」
「フキハラしている本人とだけでなく、気を遣って他の人とのコミュニケーションもとりにくくなる」
「つねにフキハラする人の機嫌を見る必要があり、生産性が激減する」
「顔色をうかがって、精神的に病む」
「窓口業務もあるため、来所する人に変に思われないよう、表面的には普通に過ごしているように見せる必要があり、心理的負荷が高い」
そうしたフキハラにどう対処しているかを尋ねると、もっとも多いのが「なるべく関わらない」だった。ほかに、「感情を無にして接する」、「相手の機嫌を取る」、「被害にあっても気にしない」、「機嫌のいいタイミングを狙う」があげられた。これらはみな、こちらに負荷がかかるわけで、どうも釈然としない。

関わらないのがもっとも負担の少ない対処なのは確かだが、フキハラ行為者本人が上司だったりチームのメンバーだった場合は、関わらないわけにはいかない。そこで、調査の監修にあたった心理学者で和光大学現代人間学部教授の坂井敬子氏は、次のように提案している。
職場の空気を変えるには、リーダーを中心にメンバー全体で目標を共有する。不機嫌で人をコントロールしようとする行為をなくし、職場の心理的な安全性を高めるための宣言、決意、具体的方略を共有するということだ。
また、フキハラ行為者を含めた職場全体で、感謝やねぎらいなどのフィードバックを心がける。その具体的な形式やタイミングは、みんなでアイデアを出し合って決める。そのとき、お互いの感じ方や考え方の違いを知ることも大切とのことだ。リーダーがフキハラ行為者である場合は、その上の上司や人事に相談する。
フキハラは、本人が気づいていないこともあるだろう。そうなると一層気を遣う。なんとも厄介な話だ。



