文化とは私たちが世界をどのように認識し、うまく渡り、関わり合うかを決定づける目に見えない枠組みだ。取締役会でのリーダーシップから私たちが成功と定義するものに至るまで、常に目に見える力と目に見えない力の両方がその基準を形作っている。
ステータスを示すシンボルはあらゆる分野に存在する。何十年もの間、富の象徴とされてきたのは自動車や腕時計、住宅、衣服、旅行だった。こうしたものは今でも重みを持っているが、その多くは以前よりも入手しやすく、金銭的にも「高嶺の花」でなくなり、模倣も容易になった。代わりに新たなシンボルが徐々に浮かび上がっている。健康な身体状態だ。これまでのシンボルとは異なり、良好な身体は一夜にして手に入れることも、他人に任せることもできない。また、長く偽り続けることもできない。
文化は人々の日々の暮らしから生まれるが、必ずビジネスの世界にも浸透する。社会が評価するものを組織はいずれ取り入れる。だからこそ、健康な身体状態は単なるライフスタイルの一分野から、文化的な価値を持つものへと変化している。そしてその流れは門前で止まることはない。
猛烈幹部が「アスリート」に
最高経営責任者(CEO)や経営幹部の役割はかつてないほど流動的で要求が厳しく、困難なものとなっている。ビジネスの舞台は24時間365日続くスポーツのようなものであり、リーダーらは絶えず監視の目にさらされている。私生活を管理する必要があるのは言わずもがなだ。
こうした状況を考えると、リーダーは長期的な成功を確実なものにするために自らのアプローチを見直す必要がある。現代のリーダーシップには心と身体、そして精神のための新しい習慣が求められている。懸命に働き、多くの時間をかけるのは当然だが、問題は再解釈されている時間のとらえ方と使い方だ。
かつての名誉の勲章は「私は毎晩4〜5時間しか眠らず、ひたすら努力し、誰よりも働いている」というものだった。
今、新たな名誉の勲章として浮かんでいるのは「私は会社を経営し、成果を出している。また、運動をし、回復し、それでなお家族に注ぐエネルギーを十分持っている」というものだ。
週80時間労働を自慢し、忙しさが重要性の指標となり、仕事量が献身の証拠となる昔ながらの企業文化は現代においては足かせとなる一方だ。今や自分を高いレベルに置くものは心身の持久力と余力だ。
今日のリーダーたちは健康な身体状態がリーダーシップと業績の向上につながることを認識しており、ますます「エグゼクティブ・アスリート」になっている。
この変化は野心や仕事量を減らすことを意味しない。個人のウェルビーイングを犠牲にすることなく、数年から数十年にわたってパフォーマンスを維持できるよう、身体の適切な基盤を意図的に築くことを意味している。現代のリーダーシップにおいて健康な身体状態がステータスシンボルになるにつれ、特に次の3つの好ましい影響がもたらされている。



