ビットコインは今年に入って大きく値を落としており、2025年10月に記録した最高値の12万6000ドルから50%以上も値下がりしている。また、今週には直近の安値をわずかに上回る水準の6万ドル付近まで急落した。
そんな中、市場は連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標によって今年後半の利上げが決定づけられるのではないかと身構えている。
PCE発表とホルムズ海峡の動向が相場を圧迫する恐れ
暗号資産プラットフォームNexoのアナリストであるデシスラバ・イアネバは、Eメールを通じ次のように指摘した。「薄商いの中、今週のカタリスト(触媒)はより大きな打撃となりかねない」。イラン紛争によってホルムズ海峡が閉鎖され、エネルギー市場への圧力が続いているためだ。
25日にはFRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)物価指数の発表が控えている。5月のコア指数は他の多くのインフレ指標を上回る前年同月比3.4%の上昇と予想されており、FRBが掲げる2%の目標を大きく超える見通しだ。
イアネバは、「明日発表されるPCE物価指数やホルムズ海峡をめぐる動向次第では、想定される範囲を超えて価格が激しく動く可能性がある。PCEが予想を上回ってタカ派的な内容となれば、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合以降に見られたドル買いの動きがさらに強まるだろう」と述べた。
9月の利上げ観測が強まり、確率は70%近くに達する
CMEのFedWatchツールによると、今年後半における利上げ観測が強まっており、9月までに利上げが実施されるとの予測確率は70%近くに達している。
証券会社Kudoの顧客関係管理責任者であるコンスタンティノス・クリシコスは、Eメールを通じたコメントで、「今週発表される米国のインフレ統計が決定打になる可能性がある」と指摘した。「インフレ率の高止まりが続けば、将来的な金融引き締めへの期待が強まりかねない。そうなれば債券利回りが支えられる一方で、利息を生まないビットコインのような資産にとっては、さらに厳しい環境がもたらされることになる」。
先週、FRBはケビン・ウォーシュ新議長の体制下で初めてのFOMC会合において金利の据え置きを決定し、これまでの利下げ基調を取り下げた。これにより、ドナルド・トランプ大統領の要求通りにウォーシュがハト派へと転じ、即座に利下げに踏み切るのではないかという望みは絶たれることとなった。
ビットコインを動かす最大要因は、現物ETFの資金流出との見方も
しかし、多くの人々が金利の先行きに注目する一方で、ビットコイン価格の最大の変動要因はビットコイン上場投資信託(ETF)の動向であるとする見方もある。
トークン化プラットフォームTXのマイク・マクラスキー共同創業者は、Eメールでのコメントで、「今週のトレーダーらにとっての主役はFRBではなく、ETFの取引データだ」と述べた。
マクラスキーは、「ビットコインの現物ETFから過去30日間で最高となる60億ドル(約9660億円。1ドル=161円換算)以上の資金が流出している。これは一時的な落ち込みではなく、今回のサイクルで上昇の原動力となってきた機関投資家たちの間でリスク回避の動きが長期化している兆候だ。この資金流出が明確に反転しない限り、現物市場で一時的な値動きがあったとしても、いかなる買い戻しの動きも厚い壁に阻まれることになるだろう」と続けた。



