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2026.06.24 07:00

米国株の資金流入も急落もノイズ、見るべきは株価ではなく事業だ

stock.adobe.com

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ウォール街は3週間前に投げ売りした株へ、雪崩を打って戻った

米国時間6月17日までの1週間で、米国株式ファンドに過去最大となる1192億ドル(約19.19兆円。1ドル=161円換算)の資金が流入した。週間流入額として史上最高を記録し、テクノロジーと半導体がその牽引役となった。年率換算すれば、2026年は約7390億ドル(約118.98兆円)と過去最高の年になる計算だ。この数字を、わずか3週間前の状況と比較してみてほしい。当時、半導体指数は数年ぶりの大幅下落を記録し、AIおよび半導体関連株から2営業日で約1兆3000億ドル(約209.3兆円)が消失していた。

この3週間で多くのことが変わった。ただし、肝心なところは変わっていない。好調な雇用統計が金利を押し上げ、その後、イラン情勢の沈静化と原油価格の約20%下落が金利を押し下げた。これらは確かに実際のインプットであり、機関投資家が株価を算定するために用いるモデルはそのすべてを織り込んだ。だが、企業の実態そのものには何ひとつ触れていない。どの企業のAI収益も減っておらず、受注残が消えたわけでもない。動いたのはマクロの天候であり、それに乗って売買する人々のムードだった。

企業の実態が動かないまま、1兆ドル超(約161兆円)を消して3週間で作り直せる市場は、取引対象の企業以上に、資金を動かす機関投資家のムードを価格付けしている。

ブロードコム決算後の急落から記録的流入までの3週間

一連の流れを追ってみよう。報道が伝えたよりもずっとシンプルだからだ。6月3日、ブロードコムは同社史上でも屈指の好業績を発表した。売上高は前年同期比で約48%増の過去最高222億ドル(約3.57兆円)、AI向け半導体の売上高は143%増の108億ドル(約1.74兆円)だった。ところが2日後の6月5日、株価は一時13%も下落し、半導体指数を10%の下落へ引きずり込み、AI関連株全体での約1兆3000億ドル(約209.3兆円)消失に拍車をかけた。

四半期の内容自体は好調だった。売りを誘発したのは、同時に示されたガイダンス(業績見通し)である。ブロードコムは次四半期のAI売上高を約160億ドル(約2.58兆円)と見込み、最も強気なアナリストが見積もっていた172億ドル(約2.77兆円)をやや下回った。さらに長期目標は据え置き、引き上げなかった。同じ朝に発表された5月の好調な雇用統計が金利を押し上げ、機関投資家にとって「削る理由」をもう1つ与えた。引けまでに結論は固まった。「AI相場は崩れ始めている」という見立てである。

2週間で反転し、過去最高ペースで資金が戻る

ところが、相場は反転した。その後2週間でイラン情勢は沈静化し、原油は急落し、売りを駆動した金利・インフレへの恐怖は後退した。6月17日までの1週間には資金が過去最高のペースで押し寄せた。1兆ドル(約161兆円)規模の下落を生んだのと同じメカニズムが記録的流入も生み出し、どちらの振れも、企業内部の出来事ではなくマクロの天候をなぞっていた。

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