【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

起業家

2026.06.24 07:00

コミュニティこそ最強の成長エンジン──B2Bスタートアップが実践すべき戦略

stock.adobe.com

stock.adobe.com

正直に言おう。今、スタートアップを立ち上げるのは厳しい。2025年にはコロナ禍以降初めてベンチャー投資が増加したものの、ディール件数は減少傾向にあり、より少数の企業に大型の小切手が切られる状況となっている。創業者たちは需要の高いAI分野に注力して限られた資金を追い求めているが、それで状況が楽になったわけではない。AIツールへの熱狂により、類似製品が市場にあふれ、注目と資金を奪い合っている。2025年には世界のベンチャー投資の約50%がAI関連企業に向かったが、その多くは似たような方法で似たような課題を解決しようとしている。

このような混雑した市場では、有料の顧客獲得はすぐに高コストになりかねない。同じ広告枠、同じインフルエンサー枠、同じ検索キーワードを他社と奪い合うことになるからだ。そしてB2Bバイヤーは、大量のマーケティングシグナルに圧倒され、それらをますます無視するようになっている。B2Bバイヤーの67%が営業担当者を介さない購買体験を好み、82%がインフルエンサーのコンテンツが意思決定に直接影響すると回答していることからも、人々がフィルターのかかっていない視点を求めていることは明らかだ。

創業者としての私の経験では、コミュニティは今でも突破口になり得る数少ないレバーの1つである。新しい手法ではないが、通常のマーケティングファネルの外側、つまりバイヤーが本当に意見を形成する場で機能する。そして今、こうした場はAIがあなたの業界に関する質問にどう答えるかにも影響を与えている。

コミュニティは私たちが思う以上に重要だ

日々多くの意思決定を迫られるB2Bバイヤーは、リサーチをAIに委ねることが増えている。実際、89%が生成AIを導入(登録が必要)しており、購買のあらゆる段階で主要な情報源の1つとして挙げている。しかしAIは独自に意見を形成するわけではなく、すでにオンライン上にある情報を集約しているのだ。

だからこそコミュニティプラットフォームが重要なのである。そこでは、バイヤーが契約前に確認したい相反する体験談、特殊なケース、率直な批評が表面化する。これらの議論は公開されインデックス化されるため、検索結果やAI生成の回答に直接反映される。

AIプラットフォームにおける引用順位は絶えず変動するが、Redditは2025年を通じて、そして2026年に入っても一貫して上位付近に現れている。Redditを上回る情報源は、従来型のウェブメディアや検索エンジン、あるいはYouTubeのようなプラットフォームだ。これらは発見とコンテンツ消費のために設計されており、会話のためではない。Redditが際立つのは、人々が質問を投げかけ、回答に異議を唱え、本当の意見を形成する場だからである。

では、Redditだけあればいいのか?

この問いに答えるために、プラットフォームへの注目をやめ、ファネルの各段階に目を向けよう。RedditがAIによる発見可能性に貢献する能力は、認知と検討が優先事項である場合に特に強力だ。ブランドが使用する主な形式は「AMA(Ask Me Anything:何でも聞いて)」と「オフィスアワー」の2つである。

AMAは、創業者やチームがコミュニティからの質問に答える一度きりの高可視性セッションである。短期間に多くの注目を集め、多数のやり取りを生むことを目的とする。ただしリスクもある。スレッドを目にする人が増えるほど、より厳しい精査を招くからだ。

オフィスアワーはAMAのプレッシャーが少ないバージョンである。一度きりのイベントではなく定期的に開催され、ユーザーは時間をかけて質問できる。大きな反響は生まないが、継続的なエンゲージメントを通じて信頼と親近感を築くのに役立つ。

私の経験では、どちらの形式も人々に質問を促す。そしてあなたやコミュニティの誰かが答えることで、AIが参照するウェブ上の領域に、プロダクトに関する情報が追加されていく。

スタートアップが成長するにつれ、ロイヤルティとアドボカシー(支持者による推奨)に注力し始めるだろう。その段階でDiscordやSlackのようなクローズドプラットフォームが有用になる。SEOやAIの可視性には貢献しないが、別のメリットがある。カスタマーサポートのコストを下げ、ユーザーが自己解決型のナレッジベースを構築することを促進できるのだ。そこでは、顧客が類似の問題への回答を見つけ、解決方法を確認できる。

クローズドプラットフォームでの主な形式は、プロダクトスレッドとユーザー体験スレッドである。業界によっては、専門的な情報交換やネットワーキングセッションも効果的かもしれない。さまざまな形式を試して、コミュニティが何を好むか確認してほしい。

要するに、可視性の拡大にはRedditが最適であり、プロダクトへの深い関与を促すにはクローズドプラットフォームのほうが向いている。

コミュニティの影響を測定する

コミュニティ指標は、事業が実際に得ているものを示すべきである。オーガニックリーチ、インバウンドトラフィック、サポートコストの低下、顧客維持の強化などだ。

Redditについては、主な問いはこうだ。あなたの存在は人々があなたを見つけ、意思決定に影響を与える助けになっているか? Redditからのトラフィック量、非ブランド検索での成長度合い、あなたが立ち上げていないスレッドでプロダクトがどれだけ言及されているかを追跡しよう。また、それらのスレッドが検索結果に表示されているか、議論で言及されているか、訪問者を呼び込んでいるかも確認する。あなたがいない場所で人々がプロダクトについて話しているなら、戦略は機能している。

AI可視性ツールを使い、主要なAIプラットフォームでブランドがどれだけ言及されているか、競合と比べてどうかを確認することもできる。私はこれにより、かつては見えにくかったチャネルが測定可能なものへと変わり得ると感じている。

SlackやDiscordについては、サポートの負荷とエンゲージメントの質を見るべきである。質問は迅速に回答されているか。チームが介入する前に、ユーザー同士で助け合っているか。ユーザーが他者に説明できるほどプロダクトを理解しているなら、それは良好なプロダクト導入の兆候である。

また、リピート参加にも注目してほしい。同じユーザーが戻ってきて、より詳細な質問をし、時間をかけて関わり続けているか。私の経験では、それこそがチャットを本物のコミュニティへと変える。

最後に、コミュニティがコンバージョンに影響を与えているかを確認する。見込み客が商談中にRedditのスレッドに言及しているか。新規ユーザーがコミュニティでの議論からすでにプロダクトを知っているか。コミュニティが営業サイクルを短縮したり、オンボーディングをスムーズにしたりしているなら、その役割を果たしている。リアクション、メンバー数、アップボートなど、それ以外のことは重要度が低い。

結論​

有料の顧客獲得がますます高コストになり、バイヤーがブランド発のメッセージを避けるなか、真の競争はマーケティングファネルの外側、あなたがコントロールできない会話の中で起きている。コミュニティを構築しても、こうした対話を脚本化したり誘導したりはできない。しかし、対話が起きている部屋に同席することはできる。そしていま、その部屋でAIもまた耳を傾けている。​

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事