採用した人材が、企業の社風や文化などに合わず、どうにもしっくりいかない「採用ミスマッチ」。よくよく適性を調べて選考しているはずなのに、なぜこうしたズレが生じてしまうのだろうか。そこには、採用担当者の1つの視点の欠如があった。
生成AIを活用した採用支援サービス「エースジョブ」を提供するフォワードは、採用活動に関わっている会社員および経営者300人を対象に、「採用担当者の視点についての実態調査」を実施した。それによると、採用後にミスマッチだったと気づいた経験を持つ人が、じつに82.3パーセントにのぼった。

採用選考においては、候補者の能力や人柄を見極めるわけだが、そこに見落としがあると採用ミスマッチが生じる危険性がある。採用ミスマッチを経験した人に、見落としていた部分を尋ねると、もっとも多かったのが「候補者の価値観・仕事観との相違」だった。さらに、「候補者のキャリアビジョンとの不整合」、「候補者が感じていたリスク・不安の未解消」などとなった。これらはみな、候補者視点の見落としだ。

また、企業視点として「スキル要件の見誤り」、「チーム・マネージャーとの相性の見誤り」があげられた。
ここに、候補者視点と企業視点という2つの視点が登場した。その候補者にとって自社で働くことにどれだけのメリットがあるかという考え方と、企業にとってその候補者を採用した場合にどれほどメリットがあるかという考え方だ。実際に選考や面接を行う際に、どちらに重点を置くかを聞くと、54.7パーセントは両方を同等に考慮すると答えた。おもに企業視点と答えたのが29パーセント。だが、おもに候補者視点と答えたのはわずか11パーセントに留まった。

実際にあげられた採用ミスマッチの原因は、候補者視点のものが多い。企業視点では、候補者のスキルに重点が置かれるだろうが、候補者視点ではその人の内面を判断することになる。つまり、価値観、仕事観、キャリアビジョン、不安といった個人的な心情や心理だ。そこを見落としていたがために、これだけ多くの採用ミスマッチが生じていることが、この調査で明らかになった。
「候補者にとって自社に来ることが良い選択かどうか」という視点を、選考の早い段階から持つことがミスマッチを解消する鍵になるとフォワードは指摘している。候補者の内面をしっかり把握するスキルを、採用担当者は備えるべきだろう。



