作業工程を動画で解説するマニュアルを導入している製造業が少なくない。しかし実際は、動画マニュアルを見るより先輩や同僚に聞くことが多いという。せっかく作った動画マニュアルが、あまり活用されていないのが現状だ。なぜ使われないのか。どうしたら使えるようになるのか。
動画手順書SaaS「Dive」を提供するエピソテックは、作業手順の動画を導入または経験したことのある製造業の現場担当者および管理者841人を対象に、作業手順の動画活用に関する調査を実施した(そのうち500人に追加調査)。スクリーニング前の現場担当者および管理者2333人に、動画マニュアルの導入について尋ねると、「作っても使ってもいない」企業が51パーセント。残る49パーセントが導入しているが、実際に使っているのは28パーセントという結果だった。

だがその「使っている」はずの28パーセントのうち、じつに87パーセントが、わからないことを先輩や同僚に聞くと答えている。つまり、動画マニュアルでは問題は解決されていないわけだ。
動画マニュアルは、研修などで使用する「見て学ぶ」タイプと、現場での作業中に不明点を調べる「引いて使う」タイプの2つがあるとエピソテックは話す。あまり活躍していないのは、引いて使うほうだ。その動画マニュアルの問題点を聞くと、動画が長くて見るのが面倒、内容が古い、必要な作業シーンを探すのに時間がかかるなどがあげられた。つまり、使い勝手が悪く、内容が現場の実情に合っていないということだ。

もうひとつの問題は、先輩や同僚に聞く場合、聞く側も聞かれる側も、作業の手を止めて対応しなければならず、聞く側の80パーセント、聞かれる側の55パーセントが心理的負担を感じているという事実だ。もし使える動画マニュアルがあれば、こうしたストレスの解消にもなる。
現場は動画マニュアルを毛嫌いしているわけではない。実際に「引いて使える」動画手順書があったら使いたいかを尋ねると、29パーセントが今のものと置き換えたい、50パーセントが併用したいと答えている。マニュアルは一度作ったら終わりではない。継続的に動画マニュアルを整備し提供する体制が必要になる。かなり専門的な仕事になるため、専門の業者に依頼するのも手だろう。



