厳しい暑さが続くこれからの季節、熱中症に気をつけて過ごしている人は多いだろう。しかし、屋外活動を終えた数時間後や夜、翌日になって体調不良が現れる「時間差熱中症」を経験する人も少なくないようだ。大正製薬が2026年6月に全国の20代以上の男女を対象に実施した調査では、約35%にあたる人が「活動中ではなく、数時間後や翌日に体調不良を感じた経験がある」と回答した。

最も多かった症状は「強い疲労感」
時間差で体調不良を経験した人に症状を尋ねたところ、最も多かったのは「強い疲労感・ぐったり感」だった。

続いて「めまい・立ちくらみ」「頭痛」「体がほてる・熱がこもる感じ」が続き、疲労だけでなく、明らかな体調不良を訴える人も多かった。
不調時は「水を飲む」が最多
不調を感じた際の対処では「水を飲んだ」が最も多く、「スポーツドリンクを飲んだ」「涼しい場所で休んだ」「体を冷やした」「睡眠をとった」が後に続いた。

一方で「経口補水液を飲んだ」「アイススラリー(※)など冷たい飲料を摂った」は少数にとどまった。水分補給や休養などの対策は行われているものの、電解質補給や深部体温を下げる対策まで実践している人は多くなかった。※微細な氷の粒子が液体に混ざったシャーベット状の飲み物のこと。
医師「帰宅後や翌日も注意を」
監修した済生会横浜市東部病院 患者支援センター長・栄養部担当部長の谷口英喜医師によると、時間差熱中症とは「暑熱環境で活動した後、数時間から半日、長い場合は翌日以降に頭痛や倦怠感、吐き気、めまい、体のほてりなどの症状が現れる状態を指す」とのこと。活動中は異変を感じなくても、脱水や体温調節機能の低下が徐々に進み、帰宅後や翌朝になって症状が現れることがあるという。
また、谷口医師は「朝食を抜く人や睡眠不足の人、のどが渇くまで水分を取らない人、体調不良でも無理をしてしまう人などは、時間差熱中症のリスクが高まりやすい」として注意を呼びかけている。
活動前からの備えが重要
時間差熱中症を防ぐには、活動中だけでなく活動前からの備えも重要だという。谷口医師は「活動前日に十分な睡眠を取り、当日は朝食を抜かずに水分・電解質・糖分を補給してから活動を始めること」を推奨。また、活動中はのどが渇く前からこまめに水分補給を行い、長時間活動する場合は水だけでなく、電解質や糖分を含む飲料を取り入れることが大切としている。
今回の調査は、「熱中症は屋外で体調を崩すもの」というイメージとは異なり、帰宅後や翌日に不調が現れるケースが少なくないことを示した。熱中症対策は屋外での暑さ対策だけで終わりではなく、活動後も体調の変化を意識し、十分な休養や水分・電解質の補給を続けることが重要になりそうだ。



