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欧州

2026.06.23 16:00

モスクワ製油所の心臓部を穿つ ウクライナは複雑なドローン攻撃をどう成功させたのか

ロシアの首都モスクワ市南東部にあるモスクワ製油所で、ウクライナのドローン(無人機)攻撃に際し、燃料貯蔵タンクが爆発して蓋が吹き飛んだ様子。ロシア側の防空ミサイルが直撃したとみられている。ソーシャルメディアで共有された動画から

ロシアの首都モスクワ市南東部にあるモスクワ製油所で、ウクライナのドローン(無人機)攻撃に際し、燃料貯蔵タンクが爆発して蓋が吹き飛んだ様子。ロシア側の防空ミサイルが直撃したとみられている。ソーシャルメディアで共有された動画から

ウクライナが18日、ロシアの首都モスクワ南東部のカポトニャ地区にある製油所に対して行った劇的な攻撃は、大規模な破壊を引き起こし、複数の火災を発生させ、世界中で大きく報じられた。なかでも、石油貯蔵タンクの蓋が爆発で吹き飛び、空飛ぶ円盤のように宙を舞う映像は広く拡散し、たちまち大量のミーム(SNSで元ネタを模倣・改変しながら広がる画像や言い回し)を生み出した。

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しかし、これはロシアのオレシュニク弾道ミサイルの発射のような、たぶんに視覚的な効果を狙った象徴的な攻撃にとどまるものではなかった。たしかに、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の膝元で終末的な光景を見せつけること自体、強いメッセージになるが、この攻撃はロシアの製油能力に実際の損害を与えた。さらに重要なのは、これはウクライナのドローン(無人機)兵器群の規模や厚みの拡大、そして運用の高度化を示す一連の攻撃の最新の事例だったという点だ。

攻撃ドローンのフルラインアップ

今回の攻撃に投入されたドローンの数について独立した検証はないが、ロシア側はこの攻撃の間にドローン200機近くを撃墜したと主張している。ロシア当局はきまって、すべて撃墜したかのように「XX機が撃墜された」とだけ報告し、発生した被害は「残骸の落下」によるものと説明する。200機近くというのは実際に飛来した数だったのかもしれない。

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ロシア側のソーシャルメディアにはすぐに、モスクワ上空を飛んで製油所に向かっていくドローンの画像が多数投稿され、軍事アナリストたちは機種を特定する機会を得た。ウクライナ側のドローンは運用する組織ごとに異なることが多いので、一度の攻撃に用いられる機種は通常は1つか2つに限られるのかもしれない。だが、今回はフルセットに近い構成だったようだ。

製油所に対する攻撃で主力となっている「AN-196リューティー(獰猛)」と「ファイアポイントFP-1」だけでなく、あまり見かけない「モロク(闇)」(ウクライナ保安庁=SBU=が好んで使用している)や、ロシアのシャヘド(ゲラニ)型に似た新型のデルタ翼ドローンも投入された。これは、4月に公開された新型攻撃ドローン「シーチェニ(「切り裂く者」といった意味とみられる)」の実戦使用が確認された最初の例かもしれない。ロシア側の情報源によれば「ボベル(ビーバー)」も参加したようだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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