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欧州

2026.06.23 16:00

モスクワ製油所の心臓部を穿つ ウクライナは複雑なドローン攻撃をどう成功させたのか

ロシアの首都モスクワ市南東部にあるモスクワ製油所で、ウクライナのドローン(無人機)攻撃に際し、燃料貯蔵タンクが爆発して蓋が吹き飛んだ様子。ロシア側の防空ミサイルが直撃したとみられている。ソーシャルメディアで共有された動画から

AVT-6の「6」は、年間処理能力が600万tであることを意味する。モスクワ製油所は2基合計で年間1200万tの処理能力があった。だが今月、これより前に受けていた攻撃で別のAVT-6も損傷しており、今回さらに2基目が被害を受けたことで製油所の全処理能力が停止した可能性がある。AVTはドイツで開発された設備であり、ロシアは交換部品をドイツに依存していたと報じられている。制裁により、修理は昔よりも時間がかかり、難しくなるとみられる。

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仮にどちらかのAVT-6がまだ稼働しているとすれば、その事実を隠すのは難しいだろうし、その場合、ウクライナのドローンが再び訪れるのは避けられそうにない。

モスクワ製油所は激しく燃え続け、モスクワ市民は油滴を含む「黒い雨」が広い範囲で降ったと訴えている。被害の全容は現時点で不明だ。

ファイア・ポイントは、FP-1/FP-2の生産数を1日あたり200機に増強していると伝えられる。これは、今回と同規模の攻撃を毎日実施できる数に相当する。これらのドローンの価格は1機あたり約5万ドル(約810万円)とされるので、200機規模の攻撃に要する機体の総コストはトマホーク巡航ミサイル4発分程度ということになる。ファイア・ポイントはユーロサトリの開催中に行われたモスクワ攻撃での実績を、さっそく自社ブースで宣伝に利用した

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今回の攻撃はウクライナのドローン能力の発展で新たな節目となり、ウクライナの長距離打撃能力の指標にもなった。今後の攻撃は今回ほど印象的な映像を残すものにはならなくても、同程度の損害を与える可能性がある。18日の攻撃前から、モスクワやサンクトペテルブルクでは燃料供給の制限措置が導入されていた。ウクライナは少しずつ、だが着実にロシアの製油能力を削っており、それはロシアの燃料供給をさらに悪化させていくと予想される。

ウクライナは「ドローン超大国」としての力を見せつけ始めている。かつてはロシアの防空リソースをうらやましがっていたようなほかの国々も、全面的なドローン戦争になった場合、自国がどの程度持ちこたえられるのか考え直しているかもしれない。

6月19日更新:ロイター通信の報道によると、モスクワ製油所では16日の攻撃によってAVT-6の一基で火災が発生し、週内に修理に着手する予定になっていた。だが18日の攻撃でもう一基のAVT-6も損傷した。これらを踏まえると、製油所全体が当面、操業停止を余儀なくされることになりそうだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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