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欧州

2026.06.23 16:00

モスクワ製油所の心臓部を穿つ ウクライナは複雑なドローン攻撃をどう成功させたのか

ロシアの首都モスクワ市南東部にあるモスクワ製油所で、ウクライナのドローン(無人機)攻撃に際し、燃料貯蔵タンクが爆発して蓋が吹き飛んだ様子。ロシア側の防空ミサイルが直撃したとみられている。ソーシャルメディアで共有された動画から

パーンツィリはミサイル12発と30mm機関砲2門を装備している(編集注:最新型のSMD-Eは30m砲を廃し、対ドローン用に短距離迎撃ミサイルを最大48発搭載できる仕様になっている)。理論上は低速・低空飛行のドローンを撃墜するのに理想的な兵器のはずだが、実際の戦果は芳しくない。ある報告によれば、攻撃を受けたモスクワ製油所の近くにも新たに防空塔が建てられたばかりだったが、肝心のパーンツィリ本体がまだ設置されていなかったという。ウクライナの作戦立案者たちはこうした状況も把握していたのだろう。

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パーンツィリのミサイルの射程は20kmを超えるので、飛来してきたドローンは製油所近辺のこの防空システムの射程内に入る。実際に多数のミサイルが発射された。

それらによって相当数のドローンが撃墜された可能性はある。その動画が少ないのは単純に、ソーシャルメディアに投稿され拡散するコンテンツに偏りがあるからかもしれない。ある動画は、地対空ミサイルがドローンに命中したものの、完全には破壊できなかった様子を捉えている。このドローンは地上に落下し、爆発している。これは、製油所近くのショッピングモールで報告された被害の原因だったのかもしれない。

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別の動画には、地対空ミサイルがドローンを外れて石油貯蔵タンクに当たり、爆発でその蓋が空飛ぶ円盤のように吹き上がる様子が映っている。これは、この種の施設の周辺で実弾を用いることに伴う危険性をよく表したものとも言える。適切に運用しなければ、こうしたミサイルは役に立たないどころか、害を及ぼしかねないのだ。

一部の動画には小火器の射撃音が入っているものの、ロシアが大規模な配備を進めているとされる、志願者で構成され対空機関銃で武装した機動火力グループの姿はほとんど見られない。こうした部隊をモスクワの市街地に展開させることについて、懸念される点があるからかもしれない。空中に向けてばらばらと撃った弾丸は、最終的には必ずどこかに落下することになる。

ある動画では、ロシア兵がイグラ型の肩撃ち式地対空ミサイルをドローンに向けて発射している。だが、ドローンがすでにこの携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)の最小交戦距離内に入っていたためか、ミサイルは命中せず、高価な兵器を無駄にする結果に終わっている。

ウクライナは小型の迎撃ドローンを大量に配備しており、それを含めた各種手段によるシャヘドの迎撃率はおよそ90%に達している。一方、モスクワで同等の迎撃ドローンが投入されている形跡はない。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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