北中米3カ国で開催中の2026年サッカー・ワールドカップ(W杯)は、創設から100年近い大会史上最も熾烈な闘いとなりそうだ。出場チーム数も試合数も増え、日本時間7月20日の決勝にどの2チームが進出するのかに世界中が注目している。こうした中、世界で最も人気の高いこのスポーツにおける覇権を賭けて、W杯開幕前から激闘を繰り広げてきた2大ライバルが存在する。スポーツ用品大手のアディダスとナイキである。
開幕時点で優位に立っていたのはアディダスだ。12チームをサポートするナイキに対し、アディダスは14チームのスポンサーを務めるほか、国際サッカー連盟(FIFA)の長年のグローバル公式パートナーでもある。FIFAの最上位スポンサーである公式パートナーは7ブランドのみで、スポーツウェアブランドはアディダスだけだ。また、同社は1970年からW杯の公式試合球を提供している。サッカー界におけるアディダスの認知度は比類ない。
さらに、アディダスは世界の消費者の間でのブランド信頼性とロイヤリティでも先を行く。ブランドの評判を測定・評価するレピュテーション調査会社のレプトラックが発表した「世界トップ100ブランド」報告書2026年版で、アディダスの評判はレゴに次ぐ2位へと急浮上した。ナイキは50位で、高い評価を得てはいるものの、アディダスのグローバルブランドとしての地位には遠く及ばない。
「サッカー界における覇権を競うナイキとアディダスのライバル関係は、W杯という究極の舞台で新たな高みに到達するだろう」とレプトラックのレピュテーション・戦略担当責任者スティーブン・ハーンは述べている。「マインドシェア(消費者の心の中での占有率)、文化的共鳴、熱狂的なエンゲージメントをめぐる闘いでアディダスは勢いを増しており、確かな評判を背にW杯に臨んでいる。比較するとナイキは遅れをとっている」
とはいえ、より対象を拡大したスポーツウェア市場においては、アディダスのほうが追う側だ。4000億ドル(約64兆2000億円)規模の世界市場でナイキは2025年に460億ドル(約7兆3800億円)を売り上げたが、アディダスは290億ドル(約4兆6500億円)にとどまった。
ただし、こちらも勢いはアディダスにある。2026年第1四半期(1〜3月期)の同社の売上高は16%(為替変動の影響を除外すると13%)増加した。これに対し、ナイキの売上高は2025会計年度に9%急落し、2026年度第3四半期(2025年12月〜26年2月期)の決算でも1%減と減収減益が続いている。同社は2026会計年度の決算発表を6月30日に予定している。



