マーケティング

2026.06.22 16:00

「サッカーのアディダス」と「ナイキのカルチャー」、W杯で熾烈な対決 軍配はどちらに?

2026年W杯北中米大会に出場する48チームのサポーターたち(Getty Images)

共感しやすいアディダスの動画

アディダスの動画『Backyard Legends(地元のレジェンドたち)』は、スポーツとストリート文化、共有の思い出を5分間の物語にまとめ上げ、サッカーの「伝統あるブランド」としてのアイデンティティーを強調している。

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主役は俳優のティモシー・シャラメで、昨年12月(日本では今年3月)公開のスポーツコメディ映画の主人公マーティ・シュプリームを再演。ラミン・ヤマル、ジュード・ベリンガム、トリニティ・ロッドマンら現役プロ選手を仲間に引き入れ、地元で無敗の都市伝説となった3人のストリートサッカー選手たちと対戦するという筋書きだ。

映像はZ世代の間で人気のノスタルジア志向を巧みに取り入れ、1990年代からストリートでサッカーを楽しんできた若者たちの軌跡をたどる。デビッド・ベッカム、ジネディーヌ・ジダン、アレッサンドロ・デル・ピエロら往年の名選手との対決も描かれる。リオネル・メッシも観客として登場するが、試合の様子は映し出されない。歴史が繰り返されるのなら、ヤマルたち3人もきっと敗北を喫するのだろう。

「レガシーと親しみやすさ、文化的記憶を通じてファンとのつながりを強め、『You Got This / 大丈夫、いける。』という広範なブランドメッセージを地に足のついた本物のエールとして伝えている」と米広告代理店Method1のブランド責任者アリソン・アーリング=ジョルジは評価する。

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ナイキのキャンペーンにはセレブが勢ぞろい

ナイキの動画『Rip the Script(本能で、化けろ。)』はよりスケールが大きく、スピード感たっぷりの豪華な仕上がり。現役サッカー選手たちに加え、テニスのセレーナ・ウィリアムズ、俳優チャニング・テイタム、ラッパーのトラヴィス・スコット、NBAのレブロン・ジェームズ、WNBAのケイトリン・クラーク、息子セイント・ウェストを連れた「サッカーママ」のキム・カーダシアンと、錚々たる顔ぶれが続々登場する。

6分間の映像は短いシーンがテンポよく続き、まばたきすら惜しんで何度も見たくなる構成だ。撮影スタジオで台本通りに動かないサッカー選手たちにディレクターが苛立つ場面に始まり、各国の代表ユニフォームとピンクのマーキュリアルスパイク姿の選手たちがセットからボールを蹴り出して、ドリブルをしながらスタジオの廊下や他の撮影セット、役員室にまで飛び込み、大混乱を巻き起こしていく。

表向きは新製品のハイテクスパイク「マーキュリアルスーパーフライ」と「マーキュリアルヴェイパー」のPR動画だが、その実「ナイキ・フットボールの世界」の“中核”を表現したものだ。同社のブランドマネジメント担当副社長ヘレナ・ソーントンは次のように説明している。

「脈絡のある特定の物語ではない。ナイキには明確なアイデンティティーがあり、それは創造的で攻めの姿勢を忘れず、直感的で楽しいものだというアイデアを形にした。この世界観の力によって、当社はさまざまなテーマを取り上げつつも本質から遠ざかることはない。それがナイキのサッカーを築き上げてきた価値観、規律、原則だ」

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翻訳・編集=荻原藤緒

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