マーケティング

2026.06.22 16:00

「サッカーのアディダス」と「ナイキのカルチャー」、W杯で熾烈な対決 軍配はどちらに?

2026年W杯北中米大会に出場する48チームのサポーターたち(Getty Images)

一方、ナイキの主要な小売提携先はチャンプス・スポーツだ。全米に364店舗を構えるスポーツ用品チェーンだが、親会社のスニーカー小売大手フットロッカーごと昨年9月にディックスが買収した。もちろんナイキは自社店舗やウェブサイトでも大規模なプロモーションを展開しており、米ロサンゼルスや英ロンドンの旗艦店では没入型の特別体験を提供している。

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また、全米各地の独立系スポーツ小売店とも提携し、地元ならではのイベントを開催。ニューヨークでは英国発のサッカー用品専門店Pro:Direct Soccer(プロダイレクトサッカー)がソーホーにポップアップショップ「House of Merc」をオープンし、ナイキの「マーキュリアル」シリーズに特化した展開を行っている。

ドイツを本拠地とするアディダスにとって、北米市場は重要な戦場だ。昨年は売上高の20%を占めていたが、今年第1四半期には18%に低下した。対照的に、ナイキは米国で強固な地盤を築いている。2026会計年度も第3四半期までの累計で企業収益の44%を北米が占め、売上高も5%増加した。

マーケティング対決は「サッカーの情熱」vs「カルチャー」

小売にとどまらない影響力拡大のため、アディダスもナイキも長編動画を制作し、将来の成長とブランド構築の足掛かりとして位置づけている。

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アディダスのビョルン・グルデン最高経営責任者(CEO)は、先日の決算説明会でW杯に向けた取り組みについて問われ「一過性のものではない。サッカーから得たインスピレーションは、はるかに広範囲に及んでいる」と説明。同社の製品はパフォーマンスウェアやチーム関連商品といった「サッカー文化」に触れるだけにとどまらず、ライフスタイルファッションにも広がっていると述べた。

ナイキのエリオット・ヒルCEOは、世界のサッカーを「(ナイキの製品開発戦略である)『Sport Offense(スポーツ・オフェンス)』への完全変革を遂げる次のスポーツ」だと表現し、W杯を「今後数四半期」にわたるサッカー市場での成長の触媒にする方針を示した。同社はW杯に向けた取り組みを、製品や選手、チーム、小売店といった枠を超えてファッション、スタイル、世界のコミュニティーにまで広がる「Universe of Nike Football(ナイキ・フットボールの世界)」と題した広範なプラットフォームの基盤とみなしている。

両ブランドとも、幅広い戦略を反映したマーケティング戦略を繰り広げているのだ。アディダスはサッカーの情熱そのものに注力し、ナイキはサッカーをより普遍的で幅広いカルチャーの世界へと引き込んでいる。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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