現代のウイスキー文化はシングルモルトが主流だが、その認識を改める必要がある。ブレンデッド・スコッチウイスキーは3世紀にわたりスコットランドの評価を築き上げてきた。そして、複数の蒸留所の熟成原酒を用い、深い専門知識を備えたマスターブレンダーが統括する最高峰のブレンドは、今なお業界でも屈指の洗練性と安定感を備えた表現のひとつである。International Wine & Spirits Competition(IWSC)の2026年ブレンデッド・スコッチ部門の審査結果は、それを裏づけるものだ。
本稿では、スタイルや熟成年数が異なる9銘柄(いずれも95点以上)について、簡単な背景とテイスティングノートを紹介する。
Chivas Brothers(シーバス・ブラザーズ)/スペイサイド/Chivas Regal(シーバスリーガル)ブレンデッド・スコッチウイスキー 25年/40%/750ml:スピリッツ・ゴールド、97点
シーバスリーガルは、1世紀以上にわたりブレンデッド・スコッチ市場の高価格帯で存在感を示してきた。25年は受賞常連であり、同ブランドのコアレンジの頂点に位置づけられる。ブレンドを構成するすべての原酒は最低25年熟成という条件を満たしており、スコットランド全域で長期熟成原酒の確保が厳しさを増すなか、このスタイルを支える在庫規模の大きさを物語る。スコットランド有数の蒸留所のモルトおよびグレーンウイスキーを用い、ボトリング前にオーク樽でマリッジし、追加熟成を施している。
香りはレーズン、イチジク、ダークチェリーといったドライフルーツから立ち上がり、クリーミーなトフィー、オレンジゼスト、マジパン、ダークチョコレートへと続く。ごくかすかに、熟成ハイランド原酒由来のスモークの気配もある。味わいはビロードのようになめらかでフルボディ、ドライフルーツ、バニラ、ベーキングスパイス、ローストナッツが広がる。余韻は長く、温かみがあり、洗練されている。熟成したオーク、ドライフルーツ、ダークチョコレートの余韻が続く。97点という評価は、25年の丹念な熟成とマスターブレンディングが到達し得る水準を示している。
William Grant & Sons(ウィリアム・グラント&サンズ)/スペイサイド/Wildmoor(ワイルドムーア)Black Mountain(ブラック・マウンテン)ブレンデッド・スコッチウイスキー/カスクフィニッシュ/40年/アルコール度数46%/750ml:スピリッツ・ゴールド、96点
ワイルドムーアは、近年立ち上がったブレンデッド・スコッチのなかでも最も野心的なプロジェクトのひとつだ。ウィリアム・グラント&サンズが2024年に導入したブランドで、同社のプライベートリザーブからモルトおよびグレーンウイスキーを用いる。これらは数十年にわたりブレンディング用の一般在庫から外されてきた原酒だ。7つのウイスキーで構成されるコレクションの旗艦が、PX(ペドロ・ヒメネス)シェリー樽でフィニッシュしたブラック・マウンテン40年である。この樽由来のドライフルーツ、ダークチョコレート、スパイスが、すでに複雑な長期熟成の土台に重なる。1本あたり約1300ドル(約20万9000円)で、プレステージ・ブレンデッド・スコッチ市場の頂点に位置し、このカテゴリが到達し得るレンジの広さを印象づける。
香りには超長期熟成スコッチの典型が表れる。酸化熟成の奥行き、ドライフルーツ、レザー、穏やかなバニラ、ラムレーズン、キャラメル。そこにPX樽が、下支えするように濃密でシロップのような甘みを添える。味わいは厚みがあり、質感も豊かで、口に含んだ中盤の味わい(ミッドパレート)にかけてストーンフルーツ、ダークチョコレート、トフィー、温かなスパイスが展開する。余韻は驚くほど長く、ニュアンスに富む。40年という時間が、要素をなめらかに統合し、層のある複雑さへと昇華させたウイスキーの証しである。現行市場における、最も本格的な長期熟成ブレンドのひとつだ。



