宇宙

2026.06.21 15:00

真夜中でも沈まぬ太陽 夏至にピークを迎え、ところにより晩夏まで続く「白夜」

多重露光で撮影した白夜の太陽。北極圏の米アラスカ州トゥーリク湖にて(Paul Souders/Getty Images)

多重露光で撮影した白夜の太陽。北極圏の米アラスカ州トゥーリク湖にて(Paul Souders/Getty Images)

2026年6月21日(日)は夏至。太陽が北半球の空で最も高く昇り、英国の巨石遺跡ストーンヘンジに大勢の人が集まって日の出を祝う。そして、北極では太陽が1日中沈まない。

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夏至の瞬間は日本時間21日午後5時25分に訪れ、北半球における天文学上の夏の始まりを告げる。多くの人にとって、この日は1年の中で最も昼の時間が長い日を意味する。しかし、北極圏ではさらに奇妙で壮観な現象が見られる。──白夜だ。

白夜は英語で「midnight sun」という。目撃できるのは文字通り、真夜中の太陽である。北極圏では夏至の太陽は真夜中になっても地平線上にとどまり、本来なら闇に包まれるはずの風景を金色のやわらかい光で照らし出す。東から昇って西に沈むのではなく、地平線に沿って浅く円を描くように動き、その位置が低くなることはあっても、決して見えなくなることはない。

多重露光で撮影した白夜の太陽。米アラスカ州トゥーリク湖にて(Paul Souders/Getty Images)
多重露光で撮影した白夜の太陽。北極圏の米アラスカ州トゥーリク湖にて(Paul Souders/Getty Images)

極地旅行専門の旅行会社クォーク・エクスペディションズの北極クルーズでレンジャー兼ガイドを務めるソラン・ジェンセンは、こう説明する。「夏至の北極圏では、太陽が実際には決して沈まない『白夜』の瞬間がある。さらにスバールバル諸島など、北極線以北に広がる非常に高緯度の地域では夏至の前から晩夏にかけて、ずっと沈まぬ太陽を体感できる」

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白夜はなぜ起こる?

もちろん、太陽そのものがいつもと変わった動きをしているわけではない。これは地球の自転軸(地軸)が傾いていることによって引き起こされている見かけの現象だ。地球は太陽の周りを約23.4度傾いた角度で公転している。そして6月の夏至の頃、北半球は1年で最も太陽に近い位置に傾く。これにより、北半球では1年間で最も昼の時間が長い1日となる一方、南半球は太陽から遠ざかる方向に傾いているため、1年間で最も昼が短くなる。

北へ行くほど、その影響は極端になる。北極線(北緯66度33分)を越えると、夏至の前後には太陽が24時間ずっと地平線上にとどまる。さらに北のノルウェー北部やスバールバル諸島、グリーンランド北部、カナダや米アラスカ州の北部へ行けば、白夜は数日から数週間、あるいは数カ月間も続くことがある。

米アラスカ州最北端の町ウトキアグヴィクから見たチュクチ海の流氷と海面に反射する白夜の太陽。2021年7月9日、現地時間午後10時24分に撮影。米魚類野生生物局(USFWS)提供写真(USFWSAlaska, Public domain, via Wikimedia Commons)
米アラスカ州最北端の町ウトキアグヴィクから見たチュクチ海の流氷と海面に反射する白夜の太陽。2021年7月9日、現地時間午後10時24分に撮影。米魚類野生生物局(USFWS)提供写真(USFWSAlaska, Public domain, via Wikimedia Commons)

傾いた状態で回転するコマ(独楽)がランプの周りを回っている様子を思い浮かべてみてほしい。地球はこの傾いたコマだ。てっぺんに当たる北極には、回転している間ずっと光が当たっている。これが夏至の頃の状況で、すなわち太陽が地平線の下に沈むことなく、空をぐるぐると回り続けるのである。

「私たちは、夜に休息をとる生活リズムにすっかり慣れきっている」とジェンセンは語った。「でも、野生動物、氷河、山々、手つかずの土地が広がる辺境の地へ冒険に出かけると、夜が訪れないという状況下で実に興味深い相乗効果が生まれる」

夏至の頃に北極圏を旅すると、24時間いつでも野生動物を観察できるのだ。「太陽は1年間で最も高い位置にあり、野生の生きものたちもその恩恵を受けている。あらゆる動物が動き回っている――餌をとり、繁殖し、巣作りをする。そして数週間にわたり、ツンドラの大地には野の花が咲き乱れるんだ」

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翻訳・編集=荻原藤緒

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