アジア

2026.06.21 12:00

高市政権で続くニッポンの「ほろ酔い経済」

高市早苗首相。2026年6月15日、イタリア・ローマで(Massimo Valicchia/NurPhoto via Getty Images)

高市早苗首相。2026年6月15日、イタリア・ローマで(Massimo Valicchia/NurPhoto via Getty Images)

中央銀行の役割は、パーティーが盛り上がり始めたところでパンチボウル(酒の入った大鉢)を片づけることだとよく言われる。ところが1999年、日本銀行はその格言をすっかり書き換えてしまった。主要国で前例のないほど大きなパンチボウルをでんと出し、それをいつまでも片づけなかったのである。

27年前、日本が主要7カ国(G7)で初めて政策金利をゼロまで引き下げたとき、日本経済がパーティーのような状態ではなかったのは確かだ。2001年に日本が量的緩和を世界に先駆けて導入した頃も、やはりあまり盛り上がっていなかった。とはいえ、日銀の真の革新は、翌年もその次の年も、10年後もその次の10年も、バーを開きっぱなしにしたことだ。

2013年に日銀総裁に就任した黒田東彦(はるひこ)は、酒樽の口をさらに大きく開けた。日銀は実質的に国債市場を支配し、日本国債の発行残高の半分以上を保有するようになった。さらに上場投資信託(ETF)の買い入れを通じて、日本株の最大保有者にもなった。2018年までに、日銀のバランスシートは日本の550兆円規模(当時)の国内総生産(GDP)上回る規模にまで膨らんだ。これもG7で前例のない出来事だった。

二日酔いも当然というべきだろう。植田和男総裁率いる現在の日銀政策委員会は、以来ずっとその後始末に追われている。日銀の政策担当者たちは先週、政策金利を31年ぶりの高水準となる1%に引き上げた。ただ同時に、来年から国債保有額の縮小ペースを緩める方針も発表した。これは、債券市場にラストオーダーを告げるにはまだ時期尚早と日銀が判断していることを示している。

日銀はまた、日経平均株価が7万1000円超と史上最高値を更新するなか、その流れに水を差したくないとも考えている。最近の株高の多くの部分が「AI(人工知能)トレード」によるものだとしても、日本株の強気相場を終わらせた責任を負わされることは、日銀執行部にとって何より避けたい事態なのだ。

だから東京にはいまもパンチボウルが置かれたままで、酒が注ぎ足され続けている。これは驚くべきことだ。2008~09年の金融危機以降、日銀に続いて量的緩和を導入したすべての主要国・地域、具体的に言えば米国、ユーロ圏、英国、オーストラリアは、数年で政策を正常化させている。そうしなかったのは日本だけだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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