アジア

2026.06.21 12:00

高市政権で続くニッポンの「ほろ酔い経済」

高市早苗首相。2026年6月15日、イタリア・ローマで(Massimo Valicchia/NurPhoto via Getty Images)

日銀に利上げ停止を求める圧力はいや増している。高市早苗首相の経済戦略は超低金利と円安に依存しており、高市政権は、政策の引き締めは今年の成長率が0.5%程度にとどまりそうな経済にとって、しのぎきれないような逆風になるという認識を明確にしている。高市は昨年10月に首相に就任する前、いま利上げするのは「あほ」と断じていたほどだ。それでも、日銀は16日に利上げを決めた。慎重に、また退路も確保しながらではあるが。

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日本が陥っている苦しい状況は、映画にたとえを見つけられる。トマス・ヴィンターベア監督の2020年の作品『アナザーラウンド』だ。この作品では、中年の教師4人が常にほろ酔い状態を保つ実験をする。結末は良いものではない。

日本も同様だ。27年間にわたる際限のない金融下支えは、日本経済のアニマルスピリットを呼び覚ますどころか麻痺させてしまった。1990年代後半以降の歴代政権は、チープマネーで酔わせている間に規制緩和や労働市場改革、男女の賃金格差是正などを進めるというのでもなく、たんにひたすら流動性の供給を求め続けた。日銀はそれに応じた。結局、構造改革は実現していない。

いや、日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)は改善したではないかという反論には一理ある。株価の急騰も踏まえれば、もっともな指摘だ。しかし日本は、株高などの恩恵が大企業から中小企業や家計に広がっていくという「トリクルダウン理論」が機能しないことを、あらためて証明している。実質賃金は昨年まで4年連続で低下している。

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一方、ツケは回ってきている。日本はGDP比率で約240%という先進国で最大の政府債務を抱えている。10年物日本国債の利回りは1999年以来の高さまで上がった。こうした状況にもかかわらず、高市は日銀に現状維持を求める姿勢なのだ。日銀が政策要因を除いて独自に算出している消費者物価指数(CPI)は4月に前年同月比2.8%上昇し、これは経済成長率の5.6倍にあたる。にもかかわらず、高市は「もう一杯」を求め続けている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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