北米

2026.06.20 09:00

米国とイランの交渉延期──イスラエルによるヒズボラ攻撃が和平合意を脅かす

Marc Piasecki/Getty Images

Marc Piasecki/Getty Images

ドナルド・トランプ大統領は、米国時間6月19日にスイスで予定されていた協議からイランが離脱したと主張。イランはこれで「終わり」であり、米国との間で新たに署名された合意から「一切の資金を得られない」と警告した。合意への署名からわずか48時間で早くもその脆弱さが露呈した形だ。

トランプは「我々は60日間を最後までやり遂げる。彼らには資金を一切与えない、10セントたりともだ!」と述べた。これは、イランの核開発計画を含む未解決の課題を交渉するために、17日夜の署名によって設けられた60日間の交渉期間を指している。

この合意には、60日以内に締結される最終合意において、米国がイランへの制裁を解除し、海外口座にあるイラン資産の凍結を解除するという確約が含まれていた。

イランと米国は理由を説明することなく第1回協議を急遽延期した。ただし、米国政府はこの延期の理由を「実務上の段取り」によるものと示唆している。

イスラエル、レバノンで活動するヒズボラへの攻撃を継続

ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、3人の匿名の外交官は、レバノンで活動する親イラン武装組織のヒズボラに対するイスラエルの攻撃が継続していることを理由に、イランが協議から離脱したと語った。

ロイター通信がレバノン保健省の発表として伝えたところによると、イスラエルによる空爆で19日午前0時以降、レバノンで少なくとも47人が死亡した。その後、イスラエルとヒズボラは19日朝に停戦合意に達した。一方、イスラエル側はレバノン南部で自国の兵士4人が死亡したと発表している。

米国とイランの間の合意では、レバノンを含むすべての戦線において、両国およびその同盟勢力の間での軍事行為を停止することが義務付けられていた。しかし、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、自国はこの合意に関与しておらず、その条項に従う義務はないとしている。

米イラン合意に対する批判勢力にトランプが攻撃

トランプは19日、トゥルース・ソーシャルへの投稿の中で、自身のイラン合意に対する批判勢力を攻撃し、「(米国は)イランを衰退させた! イランにはもはや、空軍も、海軍も、対空装備も、レーダーも、実質的に他の何も残っていない。それなのに民主党は、イランの状況が4カ月前よりも良くなっていると言っている」と述べた。この合意をめぐってはMAGA派勢力の一部を含む多方面からの批判がおこり、米国がこの合意で優位に立ったと主張する者はほとんどいない。

イランとの最終合意の交渉

J・D・ヴァンス副大統領は、トランプとイランのマスード・ペゼシュキアン大統領が17日に覚書に署名したことを受け、19日にスイスでイランとの最終合意に向けた交渉を開始する予定だった。初期の合意では、両国間のすべての軍事行為を停止し、60日間の交渉期間中はイランがホルムズ海峡を通行料なしで再開放するとされていた。また、米国は30日以内にイラン船籍への海上封鎖を解除し、イラン産原油の輸出に対する制裁の適用免除を即座に発行することも義務付けられている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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