2026.06.21 11:00

【試乗記】BMW iX3、「あらゆる条件を満たす」EVの登場

BMW iX3 50 xDrive(BMW)

「まさにこれは段階的に進めていくプロセスです」と、BMWの製品サステナビリティ担当副社長を務めるニルス・ヘッセは、BMW iX3の発表会で筆者に語った。「iX3や今後登場するモデルを見れば、我々が二酸化炭素排出量削減のために、より多くの対策を組み込んでいることがわかるでしょう。そして我々は、すべての新型車でこの取り組みを続けていきます。BMWは、最高の全体的な体験を提供しようと努めています」。BMWは、中国メーカーから技術的な挑戦を受けているにもかかわらず、サステナビリティに関しては明らかな優位性を保っている。ヘッセは、製造プロセスにおけるあらゆる側面を考慮する「360度の視点」について語り、「我々は2035年までに2000万トンの二酸化炭素排出量を削減することを目標にしています」と述べた。

advertisement
思いのほか敏捷な走りを見せる(BMW)
思いのほか敏捷な走りを見せる(BMW)

走りと航続距離

この新しいノイエ・クラッセにとって、サステナビリティは最優先課題であるものの、BMWは常に「ドライバーズカー」であることが運命づけられている。そしてこれまでのところ、同社の電気自動車はその期待に応えてきた。「i4 M50」と「i5 M60」はどちらも運転が大変楽しめるクルマであり、後者のステーションワゴン版「i5 M60 ツーリング」は、車重2425kgもあるワゴン車とは思えないほどの興奮が得られる。

BMW iX3のドライバーエンゲージメント(運転の楽しさ)はそこまでの域には達していないものの、ファミリー向けSUVから予想されるレベルを遥かに上回っていることは朗報だ。サスペンションの設定は比較的硬めだが、そのぶんステアリングの反応は鋭く、コーナリングの姿勢もフラットだ。車重が2400kg近くあり、SUVらしく車高も高いが、思いのほか敏捷な走りを見せる。

その一因は、ノイエ・クラッセで採用された、車両の駆動・制動・操舵を統合制御する電動制御技術「Heart of Joy(ハート・オブ・ジョイ)」によるものだ。これによる運動性は、確かに非常に滑らかに感じられた。

advertisement
前後2基のモーターが総合出力470psを発揮(BMW)
前後2基のモーターが総合出力470psを発揮(BMW)

主要幹線道路や高速道路での追い越しには十分以上のパワーも備えている。iX3 50 xDrive のドライブトレインは、前後2基のモーターが総合出力470ps(345kW)と最大トルク645Nmを発生。停止状態から100km/hまで4.9秒で加速できる。「テスラ モデルY」の「パフォーマンス」仕様を除くAWD(4輪駆動)モデルとほぼ同等の加速性能だ。気持ち悪くなるほど恐ろしく速いというわけではないが、それでも路上でほとんどの非電動車に恥をかかせることはできるだろう。言い換えると、BMWらしいドライビング体験はちゃんと味わえるということだ。

しかし、BMW iX3の最も注目すべき特長は、108kWh(使用可能容量)のバッテリーが可能にする長い航続距離(一度の満充電で走行可能な距離)だ。国際基準のWLTPモードで、最大800kmの距離を走行可能だという。ただし、これはオプションのエアロホイールを装着した場合の数値だが、装着しなくても航続距離はそれよりわずかに短くなるだけだ。

次ページ > 爆発的な人気となる予感

翻訳=日下部博一

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事