2026.06.21 11:00

【試乗記】BMW iX3、「あらゆる条件を満たす」EVの登場

BMW iX3 50 xDrive(BMW)

BMW iX3 50 xDrive(BMW)

日々の移動のために、1度の充電で500km以上の距離を走れる電気自動車(EV)を必要とする人は、ほとんどいない。しかし、だからといって、EVに化石燃料(ガソリンやディーゼル)車と同等の航続距離を求めない、ということにはならない。現在、それを可能にする量販EVが続々と販売店に登場しようとしている。

最新の「BMW iX3」はその急先鋒だ。英国で試乗した私の結論は明白だった。このクルマは、「内燃機関にはまだ利点がある」という議論の終焉の始まりだ。

BMW iX3:新たな「ノイエ・クラッセ」の登場

新型BMW iX3は、BMWが「ノイエ・クラッセ」と呼ぶ新世代モデルの第一弾だ。このドイツ語で「新しいクラス」を意味するノイエ・クラッセという言葉は、1961年に発表されて同社を倒産の危機から救った中型乗用車シリーズの社内呼称にちなんでいる。現代の新たなノイエ・クラッセは、BMWが初めて、EV専用プラットフォームに全面移行することを示している。これまでのBMWのEVは、内燃エンジン車との共有プラットフォームか、あるいは初代「i3」や「iX」のような専用設計のどちらかだった。BMWは今後も多数の内燃エンジン車のラインナップを維持していくが、販売台数の多い主要セグメントにおいて、純EVのラインナップ拡大を図っていく。2027年末までに、最大40の新型モデルが投入される予定だ。

元祖ノイエ・クラッセ、1961年に登場したBMW 1500(BMW)
元祖ノイエ・クラッセ、1961年に登場したBMW 1500(BMW)

スポーティなセダンで名高いBMWとはいえ、中型SUVの人気を考えれば、(SUV型の)iX3がノイエ・クラッセの第一弾となったのは極めて当然のことだ。すでに3月に発表されている第二弾のセダン「i3」が、開発テストの最終段階を経て、8月に生産に入る予定だ。最初に発売されるデュアルモーターの「i3 50 xDrive」は、電池容量108kWhのニッケル・マンガン・コバルトバッテリーを搭載し、システム合計最高出力は345kW(469ps)を発揮するが、2027年にはパワーを抑えた「40 xDrive」の投入も予定されている。

新型iX3のトリムレベルはシンプルに、ベース仕様に加えて「M Sport(Mスポーツ)」と「M Sport Pro(Mスポーツ・プロ)」の3種類が用意される(日本仕様は、現時点ではベース仕様の「iX3 50 xDrive」と「iX3 50 xDrive Mスポーツ」の発売が予定されている)。BMWでは、ほとんどの購入者がMスポーツかMスポーツ・プロを選択し、最も安価なベース仕様を求める人はわずか3%に過ぎないと予想している。

とはいえ、20インチのアロイホイール、フロントガラス下部に表示される110cm幅のBMWパノラミック・ビジョン、電動シート、アダプティブ・クルーズ・コントロールは全車に標準装備されている。将来的にはオプションの「モーターウェイ・アシスタント」のソフトウェアがアップデートされ、指定された高速道路でハンズフリー(手放し)運転が可能になる見込みだ。

特徴的なテールライト(BMW)
特徴的なテールライト(BMW)

Mスポーツ仕様は、内外装によりアグレッシブなデザイン要素が加えられるほか、シート表皮に「M PerformTex」と呼ばれる起毛素材と「ヴェガンザ」(合成皮革)を採用したMスポーツ専用バケットシートを装備する。さらにMスポーツ・プロでは、イルミネーション付きキドニーグリル、アダプティブヘッドライト、Mステアリングホイールなどが追加され、22インチ・ホイールもオプションで選択できる。もちろん、それ以外に豊富なオプションを組み合わせることも可能だ。なんといっても、これはドイツ車なのだから。

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翻訳=日下部博一

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